配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2014年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究実績の概要 |
今年度の前半はFutaki-Li-Liにより示されたユークリッド空間内のself-shrinkerに対する直径の下からの評価とCao-Liにより示されたユークリッド空間内のコンパクトself-expanderの非存在定理を勾配縮小ケーラーリッチソリトン内に拡張された意味でのラグランジュself-shrinker及び, ラグランジュself-expanderに対して拡張した. 勾配縮小リッチソリトン内のself-shrinkerはリッチ平均曲率流のI型特異点をリスケールしたときに現れるバブルと考えられるということが前年度の申請者の結果である. 従って今年度の結果はバブルそのものの性質の研究といえる. 今年度の後半はA.Stoneの結果の一般のリーマン多様体への拡張について研究を行った. Stone の論文では平均曲率流をユークリッド空間の中で考える. このとき, 平均曲率がゼロ以上という仮定の下では, 「平均曲率流の一般I型特異点は実は全て特殊I型特異点である」ということが証明できる. この定理の証明に使う道具はG.Huiskenの「単調性公式」と平均曲率がゼロ以上の自己相似解に対するある種の「Gap Theorem」の2 つである.そこで, Huiskenの単調性公式を弱い意味で拡張することを考えた. 具体的には一般のリーマン多様体上で熱核に近いある関数を平均曲率流に沿って積分した量を考える。すると, この量は単調減少ではないが, I型特異点を形成する場合には, 時間を爆発時間に漸近させると, ある値に収束することが分かった. さらにその値は, Stoneの結果と同様に平均曲率流のI型特異点のリスケーリングのバブルとして出てくるself-shrinkerのweighted volumeと一致することも分かった.
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