研究実績の概要 |
本年度は, 複素強擬凸領域上のCheng-Yau計量と境界のCR構造という対応の実類似である, 局所平坦射影多様体の強凸領域上のBlaschke計量と境界の共形Codazzi構造という枠組みで研究を行った. 特に, 昨年度にBlaschke計量の体積展開から構成した境界の不変量に対する理解を深めるために, 境界の幾何構造について詳しく考察した. この幾何構造は第二基本形式から定まる共形構造と, Gauss-Codazzi方程式を満たす対称3テンソル(Fubini-Pick形式)によって特徴づけられ, Burstall-Calderbankの提唱する「放物型部分幾何」の例となっている. この幾何学に対してアンビエント計量やトラクター接続などの構成を与えた.
|