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抗リン脂質抗体症候群の新たな鑑別診断法の確立と病態発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J06773
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 病態検査学
研究機関山口大学

研究代表者

本木 由香里  山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80724054)

研究期間 (年度) 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード抗リン脂質抗体症候群 / 抗リン脂質抗体 / 血栓症
研究概要

抗リン脂質抗体症候群(APS)は、抗リン脂質抗体の出現に伴う動・静脈血栓症や習慣流産の発症を特徴とする自己免疫性血栓塞栓性疾患である。本研究では、APSの診断精度の向上と抗リン脂質抗体の作用解明を目的とした。
まず、APS診断の要となる抗リン脂質抗体を、認識エピトープ別にELISAにて検出できる測定系を確立し、各種抗体とAPS関連症状との関連を検討した。確立したELISAを用いてAPSの代表的な基礎疾患である全身性エリテマトーデス患者を対象に各種抗体を測定した結果、動・静脈血栓症および血小板減少症の発症には抗ホスファチジルセリン/プロトロンビン抗体が非常に強く関連しており、一方で、習慣流産の発症には抗カルジオリピン/β2グリコプロテインI抗体が関連していた。このことから、APS症状には複数の抗リン脂質抗体が関与しており、現在診断に用いられている抗体測定だけでは不十分であると考えられる。複数種の抗体測定を実施し、患者が有する抗体の種類を明らかにすることで、血栓症や習慣流産等の発症リスクをある程度予測できる可能性が示された。
また、Apsの病態に関与する抗リン脂質抗体の作用について、APS患者血漿より精製したIgGを用いてin vitroの検討を行った。その結果、APS患者IgGは単球表面の組織因子発現を誘導することや、末梢血単核球のMCP-1および各種炎症性サイトカイン産生を促進すること、血管内皮細胞および単核球からのNO産生を促すことなどが明らかとなった。以上の結果から、抗リン脂質抗体により単球の血管壁への遊走・接着や炎症がもたらされ、これらが多彩なAPS症状の発症に関与していると考えられる。今後、各種因子発現に至るシグナル伝達や細胞間の相互作用に関するさらなる検討を積み重ねることにより、APS発症機序の解明やAPS症状の発症予防につながる知見が得られると期待できる。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] A novel ELISA system for simultaneous detection of six subclasses of anti-phospholipid antibodies for prediction of thrombotic complications among SLE patients2014

    • 著者名/発表者名
      Junzo Nofima, Yukari Motoki, Natsumi Aoki, Hidehiro Tsuneoka, Kiyoshi Ichihara
    • 雑誌名

      Thrombosis Research

      巻: 133 号: 6 ページ: 1135-1140

    • DOI

      10.1016/j.thromres.2014.03.032

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 抗ホスファチジルセリン/プロトロンビン抗体ELISAキットの健常人参考値の設定と血栓性合併症との関連2014

    • 著者名/発表者名
      本木由香里、野島順三
    • 学会等名
      第8回日本血栓止血学会学術標準化委員会シンポジウム
    • 発表場所
      野村コンファレンスブラザ日本橋(東京)
    • 年月日
      2014-02-22
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] Multiplex-ELISA開発による抗リン脂質抗体症候群の検査診断の向上2013

    • 著者名/発表者名
      本木由香里、青木なつみ、野島順三
    • 学会等名
      第8回日本臨床検査学教育学会学術大会
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター(大阪)
    • 年月日
      2013-08-28
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 全身性工リテマトーデス患者における単球走化性活性化因子(MCP-1)濃度と抗リン脂質抗体および血栓性合併症発症との関連2013

    • 著者名/発表者名
      青木なつみ、本木由香里、山本美佐、野島順三
    • 学会等名
      第14回日本検査血液学会学術集会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京)
    • 年月日
      2013-07-28
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 抗リン脂質抗体症候群患者における動脈硬化性病変発症機序の解明2013

    • 著者名/発表者名
      本木由香里、青木なつみ、山本美佐、河野裕夫、常岡英弘、野島順三
    • 学会等名
      第102回日本病理学会総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌(札幌)
    • 年月日
      2013-06-07
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

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公開日: 2014-01-29   更新日: 2024-03-26  

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