研究課題
特別研究員奨励費
マクロライド系抗菌薬は抗菌作用以外に抗炎症作用を有することが知られており、病態が各々異なる炎症性肺疾患に対して幅広く有用性が報告され、新たな治療法として期待されているマクロライド系抗菌薬が抗炎症作用を発揮するメカニズムに関する先行研究としては、肺胞マクロファージからの炎症性サイトカイン産生抑制、気道上皮細胞からのIL-8等の好中球遊走因子抑制やムチン産生抑制など、いずれも液性因子に関する研究が主であり、マクロライド系抗菌薬自身が、宿主側の免疫抑制性の細胞集団を誘導するかということに注目した先行研究はなく、細胞レベルで研究を進めた。クラリスロマイシン(CAM)を3日間腹腔内投与し、肺と脾臓の免疫担当細胞をFACSにて解析を行ったCAM投与により肺・脾臓にそれぞれ、CD11b(+)Gr-1(+)細胞が有意に増加している事を新たに見出した。この細胞集団の増加は経口投与でも同様の傾向が確認された。クラリスロマイシンによって誘導されるCD11b(+)Gr-1(+)細胞をでマイクロアレイ解析を行ったところ、CAMによって誘導されたCD11b(+)Gr-1(+)細胞において、Arginase-1が最も強く発現し、in vitroにおいて、CAMによって誘導されるCD11b(+)Gr-1(+)細胞は免疫抑制性に作用することが示された。さらに、CAMはCD11b(+)Gr-1(+)細胞を介して、LPS 腹腔内投与ショックモデル及び肺炎球菌性肺炎モデルの予後を改善させることを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 2013
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (4件) 図書 (4件)
Vaccine
巻: 33 号: 2 ページ: 327-332
10.1016/j.vaccine.2014.11.023
BMJ Case Rep
巻: undecided ページ: bcr2015209394-bcr2015209394
10.1136/bcr-2015-209394
J Clin Microbiol
巻: 53 号: 4 ページ: 1436-1438
10.1128/jcm.03339-14
Am J Case Rep
巻: 16 ページ: 454-458
10.12659/ajcr.894022
J Infect Chemother
巻: 20 号: 6 ページ: 356-360
10.1016/j.jiac.2013.12.010
BMC Infect Dis
巻: 14 ページ: 684-684
巻: 20 号: 11 ページ: 678-681
10.1016/j.jiac.2014.07.001
巻: 20 号: 10 ページ: 607-611
10.1016/j.jiac.2014.05.007
Mediators Inflamm
巻: undecided ページ: 1-13
10.1155/2013/264260