研究課題/領域番号 |
13J07381
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中野 恭兵 東京工業大学, 像情報工学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 有機薄膜太陽電池 / 液晶性有機半導体 / 新規評価法 / デバイス物理 |
研究概要 |
本研究は自己組織化性を有する液晶材料の高いポテンシャルを利用し、有機薄膜太陽電池の特性向上を目的とする。目的達成には、 1. 自己組織化性を利用した、ドナー・アクセプタ混合薄膜の分子凝集の制御 2. 秩序性の異なる液晶相が太陽電池特性に与える影響の解明 3. キャリア収集過程の効率を評価する簡易な測定法の開発が有効な方策である。 平成25年度には ■ドナー・アクセプタ混合薄膜中の分子凝集構造が、液晶材料の自己組織化性によって微細化できることを明らかにした。構造の微細化によって太陽電池特性が35倍に向上し、本方策の有用性を示した。また、徹細構造が電極との接合による影響を強く受けることを見出した。これはより微細な構造を実現するための方法論となる可能性がある。 ■ロックインアンプを用いた逆バイアス下の光電流の検出と評価を行い、素子中のキャリア収集効率を評価することが可能であることを実証した。構造の微細化によってキャリアの輸送パスが電極まで形成されたため、収集効率が改善することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の狙い通り、液晶材料の自己組織化性によって有機薄膜太陽電池の1. 分子配向と2. 分子凝集の制御が可能であって、特性の向上が見られた。合わせて、新規評価法として逆バイアス化の光電流の測定からキャリアの収集効率を見積もる手法を提案し、簡便な装置組だけで収集効率が評価できることを見出している。
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今後の研究の推進方策 |
25年度に得た結果から、液晶材料の自己組織化性により有機薄膜太陽電池の特性向上が可能である。とはいえ、新規な材料系であるため基礎的な知見に乏しく、今後は 1. 新規液晶材料の開拓と基礎物性の評価 2. 新規材料を用いた薄膜太陽電池の評価を通じて、液晶層の秩序性が太陽電池特性に与える影響を解明 上記2点を検討課題とする。基礎研究的であるが、本研究課題の将来の発展のためには必要な取り組みである。
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