研究課題/領域番号 |
13J07920
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松村 一志 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2014年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 科学システム / 正当化 / 科学の線引き問題 / 組織的懐疑 / 手続きの圧縮 |
研究実績の概要 |
本研究のテーマは、科学システムの作動を解明していくことである。本年度は、科学システムの基本的作動に関する歴史研究を主たる課題とした。具体的には、正当化形式の歴史的変化を、理論的枠組の形成・西洋の事例・日本の事例の三方向から扱った。 理論的枠組を形成するため、社会学理論と科学史・美術史研究の架橋を行った。正当化形式の変化は、社会学理論の範疇で言えば、ウェーバーの正統化論(支配の諸類型)やギデンズの再帰的近代化論に近接している。そこでは、「カリスマ・伝統的支配から合法的支配へ」とか「知恵から専門知識へ」という変化の図式が示される。一方、科学史・美術史における18世紀の研究は、実験の信頼性をめぐる変遷を扱っている。以上の社会学理論と科学史・美術史研究とは関連性を持たないが、ともに「観察者への信頼性」が問題化したことを示唆している。 西洋の事例としては、「証言」という考え方の歴史を扱った。特に、19世紀末~20世紀初頭の心霊現象研究を対象とした。19世紀半ば以降、テーブルターニング・心霊写真・自動筆記等の心霊現象が流行した。それは単なる民間信仰に留まらず、著名な哲学者や科学者が実際に研究した。しかし、学術界全体がそうした研究に同調したわけではない。心霊現象研究をめぐっては賛否が分かれ、「科学性」が鋭く問われた。その過程で、「証言」の証拠性をめぐる議論が生じており、「観察者への信頼性」の問題に幾つかの解答が与えられた様子を見て取れる。 日本の事例としては、「科学的精神」という考え方の歴史を扱った。それは、1920年代から50年代頃までの科学思想に散見される考え方であり、科学の背後に精神性を見出すことが根本的発想である。論者としては、小倉金之助・石原純・戸坂潤・橋田邦彦などを挙げることができる。一連の議論には、「観察者への信頼性」に関する日本固有の問題化と解答を見て取れる。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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