研究課題
特別研究員奨励費
これまでの解析から、c-Mycの下流因子として働く新規の癌化関連長鎖非コードRNAであるAS-GEF-XはProtein Xと複合体を形成することでCDK6の発現を調節している可能性が考えられた。そこでAS-GEF-XによるCDK6の発現制御機構の解明を行った。AS-GEF-XとProtein Xが共に細胞質に局在することから、転写後の遺伝子発現制御プロセスに関わっていると推察された。そこで、Protein XおよびAS-GEF-XがCDK6のmRNAと直接結合するか検証した。その結果、AS-GEF-XとProtein X、CDK6 mRNAは3者複合体を形成していることを見いだした。次に、この複合体におけるAS-GEF-Xの機能を明らかにするため、AS-GEF-Xを抑制し、AS-GEF-XのAS-GEF-XはProtein XのCDK6 mRNAへのリクルートを促進していることを見いだした。Protein XはCDK6 mRNAの3’UTRに結合することでmiRNAのアクセスを遮断し、結果としてCDK6のmRNAを安定化していることを明らかにした。さらに、c-Mycを発現抑制した細胞にAS-GEF-XおよびCDK6を強制発現することで、c-Mycの発現抑制に伴う細胞周期の停止がレスキューされた。以上、本研究では大腸がんにおけるc-Myc、AS-GEF-X、CDK6という新規の発癌機構および、新規長鎖非コードRNAであるAS-GEF-Xの作用メカニズムを明らかにした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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