研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、ゲノムワイドな手法と遺伝薬理学のアプローチを駆使し、免疫抑制薬FTY720の標的因子の網羅的同定と機能解析を行うことで、1)FTY720のカルシウム/カルシニューリン(CN)シグナル伝達経路の活性化機構の解明、2)FTY720添加と酸化ストレス添加時の標的因子の共通性質より導かれるFTY720の作用機構とその機能解析、3)FTY720がタンパク質代謝に与える影響とその意義、そして、4)FTY720が細胞に与える影響とその意義を明らかにすることで、FTY720を介するシグナルネットワークの解明を目指すものである。本年度は以下のことを明らかにした。①FTY720添加時のDNAマイクロアレイを行い、FTY720添加時に発現が変動する遺伝子群を網羅的に同定した。上昇してきた遺伝子群の多くは、既にFTY720により活性化されることを報告したCNシグナル伝達経路(Hagihara et al., 2013)やストレス応答MAPKシグナル伝達経路(Hagihara et al., 2014)により制御されていた。しかしながら、これら二つの経路だけでは発現制御メカニズムが説明できない遺伝子群も存在することが分かった。そこで、転写因子結合配列の検索、さらに転写因子候補のKO細胞を用いたRealtime PCR法による比較を行うことで、FTY720により制御される新たなシグナル伝達経路を明らかにし、現在投稿準備中である。②FTY720感受性遺伝子群を網羅的に同定することにより、FTY720の新たな作用機構/経路を明らかにするとともに、臨床においてFTY720の作用を増強しうる遺伝子群の同定に貢献できると考えた。今回私は、分裂酵母のKO細胞ライブラリーを使用して、3段階のケミカルゲノミクススクリーニングを行い、FTY720感受性遺伝子を網羅的に探索した。そして、同定された因子群の細胞内機能とFTY720との関係について考察を行い、現在投稿準備中である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genes to Cells
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