研究課題/領域番号 |
13J08142
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松實 良祐 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 予防安全 / 熟練ドライバ / 危険予測 / 自律型衝突回避 / リスク評価手法 / ポテンシャルフィールド |
研究概要 |
本研究では、道路環境を考慮した障害物の状態推定に基づくリスクポテンシャル推定アルゴリズムを設計し、それに基づく自律型衝突回避システムの開発を目的としている。そして、当該年度に実施した研究の成果は「エキスパートドライバの運転操作特性に基づくリスクポテンシャル推定手法の確立」と「リスクポテンシャル推定手法に基づく自律型衝突回避システムの有効性の検証」である。 「エキスパートドライバの運転操作特性に基づくリスクポテンシャル推定手法の確立」では、本研究室で所有する、常時記録型ドライビングレコーダを搭載した実験車両を用いて、自動車教習所の教官3名が市街路を走行した走行データの解析結果から得られた知見から、リスクポテンシャルの定式化と、歩行者飛び出し場面におけるポテンシャルパラメータの同定を行った。設計したリスクポテンシャルは、収集したドライバの走行データの比較を行い妥当性の確認を行った。 「リスクポテンシャル推定手法に基づく自律型衝突回避システムの有効性の検証」では、提案したリスクポテンシャル推定手法に基づく自律型衝突回避システムの安全性能について検証を行った。具体的には、提案したシステムの危険予測機能について検証するために、東京農工大学で所有するヒヤリハットデータから、構造物や駐車車両の陰より歩行者もしくは自転車が飛び出す場面を抽出し、それを模擬した場面でシミュレーションを行うことで提案するシステムの事故予防効果について示した。 これらの研究業績は、本研究の核である道路環境のリスクの定量化であり、自動車および実際のドライバに基づくリスク推定手法の確立は、今後の高度予防安全技術や自動運転技術に対する基盤技術となりうる。また、実際の事故・ヒヤリハット場面にて有効性を検証したことで、実際の道路環境下での事故予防効果を示すことができたことは、本研究の社会への波及効果において重要な点である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の計画にある「障害物の移動予測手法の構築」については, 完了していないが、「リスクポテンシャル推定手法の確立」と「熟練のドライバの危険予測運転行動に基づくパラメータ同定」は達成した。さらに、次年度予定していた、「自律運転知能の構築」「システムの検証実験」について、事故・ヒヤリハット場面を模擬したシステム検証のフレームワーク構築が達成できたため、おおむね順調に進行しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
常時記録型ドライブレコーダデータを使用し、道路環境における移動物体の状態遷移に影響を及ぼす要因を抽出し、これを状態遷移モデルによって表現する。 そして、これまでの構築したリスクポテンシャル推定手法に拡張する。提案したシステムは超小型電気自動車に搭載し、模擬交差点にて検証実験を行う。実験シナリオは、東京農工大学が所有しているヒヤリハットデータに基づき、実車実験により制御系の事故低減効果を検証し、さらに交通シミュレーションによってモデル都市における事故低減効果を予測する。
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