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レーザの同期・コンシステンシーの複雑性解析とリザボアコンピューティングへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 13J08278
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 感性情報学・ソフトコンピューティング
研究機関埼玉大学

研究代表者

菅野 円隆  埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード半導体レーザ / カオス / 同期 / 時間遅延システム / リアプノフ指数
研究概要

本研究では, 時間遅延された戻り光を有する半導体レーザを用いたリザボアコンピューティングを実装し, その性能をリアプノフ指数により定量化された複雑性を用いて評価することを目的としている. 研究遂行開始の初年度である本年度の1つ目の目標は, 戻り光を有する半導体レーザにおいて一般化同期を用いたリアプノフ指数の推定手法の提案であった. 本手法は戻り光を有する半導体レーザの一般化同期を用いる手法である. 本手法の有用性を調査するために, 戻り光を有する半導体レーザの時間ダイナミクスを表す数値モデルを用いて, 数値計算により提案手法を用いてリアプノフ指数の算出を行った. 本手法で推定されたリアプノフ指数と, 数値モデルの線形化方程式を用いて得られたリアプノフ指数を比較した数値モデルの線形化方程式を用いることで, より正確なリアプノフ指数を算出することができる比較の結果, 本手法で得られたリアプノフ指数が線形化方程式を用いて得られた結果とほぼ一致し, 数値的に本手法の有用性が示された. 本研究による成果は, 3つの国内学会と1つの国際学会において発表した.
本年度の2つ目の目標は, 時間遅延システムにおいてリアプノフ指数を算出する手法を拡張し, 有限時間リアプノフ指数の算出方法を提案することであった。Farmerの提案した時間遅延システムにおけるリアプノフ指数の算出手法(Farmer, 1982)を拡張し, 有限時間リアプノフ指数を算出する手法を提案した本手法を時間遅延システムであるマッキーグラスモデルに適用し, その有用性を調査したマツキーグラスモデルにおいて, 有限時間およびマッキーグラスモデルの遅延時間を変化させ, 有限時間リアプノフ指数の算出を行った. 有限時間および遅延時間に対する有限時間リアプノフ指数の標準偏差の依存性を調査したところ, 有限時間および遅延時間の増加に対しても標準偏差がべき乗則で減少することが分かったこの時のべき指数の値はほぼ0.5となった. 有限時簡リアプノフ指数の標準偏差が大きいことは, 状態空間の位置により予測不可能性が大きく異なることを意味する. これは予測の限界時間が状態空間の位置により異なることを表す. 本研究において得られた成果はPhysical Review Eに論文として発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の目標である時間遅延システムにおける一般化同期を用いたリアブノフ指数の算出手法の提案と有限時間リアプノフ指数の算出手法の提案を達成し, その有用性を数値計算により確かめることができたためである.

今後の研究の推進方策

本研究におけるリアプノフ指数の算出のための提案手法は数値計算においてのみ適用されているため, 今後はこれを実験的に適用することを行う必要がある. また提案手法により得られたリアプノフ指数から時間遅延システムの複雑性を定量的に評価し, 戻り光を有する半導体レーザを用いたリザーバコンピューティングの分類・予測性能を評価することが今後の課題である.

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Finite-time Lyapunov exponents in time-delayed nonlinear dynamical systems2014

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka Kanno and Atsushi Uchida
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 89 号: 3

    • DOI

      10.1103/physreve.89.032918

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 共通信号入力同期した半導体レーザーカオスにおける過渡状態のリアプノフ指数の算出2014

    • 著者名/発表者名
      菅野 円隆
    • 学会等名
      レーザー学会第458回研究会レーザーのカオス・ノイズダイナミクスとその応用
    • 発表場所
      神奈川大学
    • 年月日
      2014-02-28
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 時間遅延フィードバック光を有する半導体レーザにおける一般化同期を用いた最大リアプノフ指数の推定2013

    • 著者名/発表者名
      菅野 円隆
    • 学会等名
      第56回自動制御連合講演会
    • 発表場所
      新潟大学
    • 年月日
      2013-11-17
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] Estimation of maximum Lyapunov exponent using generalized synchronization in semiconductor lasers with optical feedback2013

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka Kanno
    • 学会等名
      2013 the International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications (NOLTA2013)
    • 発表場所
      Santa Fe, USA
    • 年月日
      2013-09-11
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 戻り光を有する半導体レーザにおける一般化同期を用いたリアプノフ指数の算出2013

    • 著者名/発表者名
      菅野 円隆
    • 学会等名
      電子情報通信学会非線形問題研究会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      2013-07-09
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

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公開日: 2014-01-29   更新日: 2024-03-26  

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