研究課題
特別研究員奨励費
筋強直性ジストロフィー(DM)において、クロライドチャネル遺伝子CLCN1の選択的スプライシング異常は筋強直の原因となるため注目され、研究されてきた。申請者はマウスにおいてClcn1の異常スプライシングを改善する低分子化合物であるmanumycin Aを発見した。本研究の目的はその効果や作用機序を明らかにすることである。先行研究により、manumycin AがRasタンパク質の機能を阻害する事が明らかになっている。これまでにRNAiによりH-Ras、N-Ras、K-Rasのノックダウンを行った際に、H-RasとN-Rasをノックダウンすると、Clcn1の異常スプライシング産物が減少した。そこで、Rasを発現ベクターにクローニングし、培養細胞に過剰発現させ、Clcn1スプライシングへの影響を調べた。H-Ras、N-Ras、K-Rasの3種類のRas及び、その変異体を合わせて14種を発現ベクターにクローニングした。変異体として、活性が高まる変異体とドミナントネガティブ効果をもたらす変異体を作製した。その結果、H-Ras、N-Ras、K-Rasの全てにおいて、Clcn1の異常型スプライシング産物の増加傾向が見られた。特にH-RasとN-Rasを発現させた際は、K-Rasを発現させた場合に比べて、Clcn1の異常型スプライシング産物が増加する傾向が見られた。また、各Rasの活性型変異体を発現させた際のClcn1のスプライシングは、野生型のRasを発現させた場合と比較して、特に顕著な差は見られなかった。一方で、各Rasのドミナントネガティブ効果をもたらす変異体を発現させると、異常型Clcn1スプライシング産物の割合は減少し、対照として用いたベクターを発現させたときと同程度になった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.ishiura.c.u-tokyo.ac.jp/Ishiura_Lab_HP/top.html