研究課題/領域番号 |
13J08962
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 明日香 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2016年度)
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配分額 *注記 |
4,320千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 720千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | イスラーム / 東方キリスト教 / コプト教会 / 聖人崇敬 / 写本 / 聖人伝研究 / コプト / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / エジプト / 写本研究 / イスラームとキリスト教 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はイスラームの地域性・時代性を捉えるために、14世紀エジプトにおけるムスリムの宗教実践を、古代エジプトに遡るエジプト人の習俗やキリスト教徒の宗教実践の影響、ムスリム法学者によるこれら習俗の容認といった視点から考察することにある。本年の4月から5月にかけては、ムスリムの宗教実践のうち、聖者崇敬について、古代からの東地中海世界の伝統の中に位置づけ考察した。 主な活動は以下のとおりである:①研究報告:5月には、京都の同志社大学にて開催された日本中東学会年次大会にて報告を行った(学会発表、国内、 ①)。②論文執筆:11-14世紀の下エジプトにおけるキリスト教徒の人口分布に関する論文を日本中東学会年報へ投稿し(論文①)、2015年2月にエジプトで開催されたシンポジウムにおける報告原稿を論文として書き直した(図書①)。また、出版に向け博士論文の書き直しを行った。 得られた成果について: 聖人/聖者崇敬は、イスラームの、キリスト教の、と宗教毎に分断して研究されがちである。ある時代における、両者の重なりあう姿については近年注目されているが、報告者は、ある地域における人々の信仰の通時的なあり方に着目した。ムスリムの宗教実践におけるキリスト教の影響を考察することは、ユダヤ教、キリスト教、イスラームといった宗教を越える、東地中海世界における普遍的な信仰のあり方について理解を深めることになると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主な活動は以下のとおりである:①研究報告:5月には、京都の同志社大学にて開催された日本中東学会年次大会にて報告を行った。②論文執筆:11-14世紀の下エジプトにおけるキリスト教徒の人口分布に関する論文を日本中東学会年報へ投稿し、2015年2月にエジプトで開催されたシンポジウムにおける報告原稿を論文として書き直した。また、出版に向け博士論文の書き直しを行った。年度開始から二ヶ月で産休に入ったが、学会発表を1回、論文は図書(共著論文、英語)と査読付き投稿論文(日本中東学会年報)と、英語と日本語それぞれ1本ずつ、計2本と、二ヶ月という短期間においては十分な成果を挙げることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は最終年度となるが、残った課題であるムスリムの宗教実践を中心に研究を進めたい。また、3年間の成果として、まずは7月と9月に開催される国際学会(シリア学学会、コプト学学会)にて報告を行う。報告論文は、シンポジウムの論文集へ投稿する。これまでに収集できなかった文献については、シリア学学会(7月、ロンドン)終了後に英国図書館にて収集する。学会での反響次第では、本研究の成果を最終的には書籍として出版することを視野に、本テーマに関する国際ワークショップの開催を考えたい。
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