研究課題
特別研究員奨励費
最新の原子核乾板および解析技術をガンマ線観測器へ応用することで、現存するGeVガンマ線観測機器よりも1桁高い解像度でガンマ線源を撮像することが可能となる。本研究は、高角度分解能「エマルションガンマ線望遠鏡」を開発し、大面積検出器を気球に搭載して長時間フライトを実施し、現在「未同定」とされている謎のガンマ線天体や、宇宙線加速が示唆される超新星残骸等の精密観測の実現を目指している。2015年5月、中口径(0.4平米)のエマルション望遠鏡を用いたガンマ線天体Vela pulsarの検出、および100MeV帯域において最高精度でのイメージング実証を目的とした気球実験(JAXA国際大気球実験)をオーストラリアアリススプリングスにて実施した。フライト時間は14.3 h(36 km以上の浮遊時 間11.5 h)、その後、東約1000km離れたロングリーチ近郊にて検出器を回収し、フライト乾板を手にする事に成功した。現像後の乾板を日本に持ち帰り、名大で開発中の超高速自動飛跡読取装置HTSを使用して記録された飛跡データの取得を実施し、約3 ヶ月の運用で乾板42平米のデジタル化を完了した。取得した飛跡データを解析し、ガンマ線起因の反応(γ→e+e-)を自動選出するソフトウェアの開発を行った。原子核乾板100層を積層したガンマ線コンバーター内に蓄積した反応の系統的な選び出しが現在進行中である。サブサンプルデータを用い、天体検出において主な背景事象となる大気ガンマ線の流束 8.76±2.35 E-3 [/cm^2/s/sr](>150MeV) を導出し、過去の測定と無矛盾な結果が得られた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Progress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP)
巻: 未定 号: 4 ページ: 1-28
10.1093/ptep/ptv046