研究課題/領域番号 |
13J09943
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
化工物性・移動操作・単位操作
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
工藤 翔慈 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | crystallization / cocrystal / crystalline particle / phase diagram / operation design |
研究概要 |
本研究は、結晶化工学の概念を用いた、品質制御された共結晶粒子群の製造手法を提案することを目的としている。平成25年度は、実験系を決定して4成分相図の作成に取りかかる計画であった。 4成分相図の作成のために計画通り、対象系として30℃大気圧でのカルバマゼピン(CBZ)-サッカリン(SAC)-メタノール(MeOH)-水系を選択した。相図の作成にあたって、まず高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるCBZおよびSACの濃度定量のための測定条件を検討し、それから相図作成に取り組んだ。相図作成の状況として、良溶媒100wt%の溶媒とCBZおよびSACの3成分相図が作成され、4成分相図としては溶媒組成で非溶媒組成0wt%から40wt%の領域まで相図を作成することができた。作成した相図の範囲内で、非溶媒添加晶析操作が可能な領域が想定通りに存在することが確認された。 当初の計画では、25年度は系の選択および相図作成に時間を要することを想定して、系の選択および相図作成に集中してする予定であった。しかし、系の選択および相図の作成に目途が立ったので、4成分相図が完成されてからの非溶媒添加晶析の操作設計の検討にも備えた。結果として、4成分相図の作成途中で得られたCBZ-SAC-MeOH系の3成分相図に基づいて、溶液から共結晶粒子群を創製する新規晶析法を提案するに至った。この新規晶析法は、非溶媒添加晶析法と同様の二液を混合する晶析法であり、非溶媒添加晶析への展開が可能である。また、相図を利用した共結晶の過飽和度の定義・算出法の考案にも取り組み、物質収支に基づく定義・算出方法を提案することができた。共結晶粒子群の品質制御の検討に際して、過飽和度と結晶粒子群品質との関係の整理は必須の重要課題である。したがって、共結晶の過飽和度の定義・算出方法を提案できたことは、大きな意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では4成分相図が完成してから非溶媒晶析操作法の検討に取り組むこととしていた。しかし、4成分相図作成の途中で得られた3成分相図を利用して、非溶媒添加晶析のような新規晶析操作法を提案できる可能性を見出した。そこで、4成分相図作成と同時に3成分相図に基づく新規晶析操作法の提案にも取り組んだ。非溶媒添加晶析へと展開可能な3成分相図に基づく新規晶析操作法の提案することができた一方で、4成分相図作成が遅れているため、上記の区分であると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
提案した3成分相図に基づく新規晶析操作法は非溶媒添加晶析へ展開することが可能であり、4成分相図が完成した時点で非溶媒添加晶析を実施することができる。したがって、今後の研究の推進のための方策として、4成分相図の作成に専念する。また、4成分相図が完成してからの非溶媒添加晶析で条件と結晶粒子群品質の関係を整理する段階では、3成分相図に基づく新規晶析操作法の提案に際して得られた知見を活用することで研究の推進を図る。
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