研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、宇宙債電離期を形成した初代天体の光と、近傍銀河のダークハロー内の浮遊星の光を近赤外線の銀河系外背景放射の観測により解明する事である。また、近赤外線背景放射の観測には前景放射の理解が重要で有る。私はロケット実験CIBERで得た観測データを元に前景放射である銀河内の拡散光、黄道光、背景放射に成分分離した。波長0.8-1.8μm域における銀河内の拡散光のスペクトル観測は世界初である。星間ダストによる散乱モデルとの比較の結果、星間ダストは過去に考えられていたよりも小さなサイズのダストが支配的である事が示唆された。近赤外線波長域における黄道光のスペクトルと偏光スペクトルを世界で初めて観測することに成功した。彗星と黄道光のスペクトルと偏光スペクトルを比較した結果、両者が似ていることから惑星間ダストはMg等を含むシリケイトや非結晶カーボンからできている事が示唆された。背景放射のスペクトルと空間ゆらぎのを測定することに成功した。背景放射は初代星が起源であると考えられており、その空間ゆらぎは数分角~度スケールで大きな振幅を持つことが理論的に予測されていた。また、スペクトルには波長1um付近にピークがある事が予測されていた。観測の結果、背景放射のスペクトルには波長1.5umにピークがあり、知りうる全ての銀河の光の積算値よりも数倍明るい放射が観測された。また、空間ゆらぎには数分角以上の角度スケールにて、知りうる全ての銀河によるEBLゆらぎの予測値を桁違いに超える振幅が観測された。CIBERに「あかり」衛星やSpitzer望遠鏡の結果を加えたゆらぎの波長依存性は、星に類似のλ-3に従い、初代星の理論モデルと一致しないことがわかった。この観測結果を説明する起源として、近傍銀河(Z<<1)の相互作用により剥ぎ取られ、ダークハロー内に浮遊する星々の拡散光(IHL)説が提案された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Astrophysical Jornal
Science
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http://www.ir.isas.jaxa.jp/~matsuura/darkage/index_da.html