研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は今までの可視光・近赤外での観測では調べることのできなかった宇宙再電離期(赤方偏移~6)に至までのダストに隠された爆発的星形成銀河 (Submillimeter galaxies, SMGs)についてそれらの存在と分布頻度をアルマ望遠鏡を用いた研究により明らかにすることである。今年度は昨年度末に得ることができたアルマ望遠鏡のデータで得られた正確なSMGsの位置情報をもとに詳細な可視・近赤外・中間赤外・遠赤外・サブミリ波・電波のデータの解析・研究を行った。アルマ望遠鏡で221個の1100-micron検出のSMGsのうち最も有力な赤方偏移>4候補の30個を観測したがうち10個が赤方偏移~6付近にいる可能性が高いことが判明した。これは多波長解析によりこれら10個は波長3.6 mirconと2.1 micronの色が2等級という赤さをもち、これは赤方偏移6付近でないと説明が難しいことが判明したためである。またこれらのSMGsはすばる望遠鏡の最も深い可視近赤外のデータより3倍以上深い観測でも検出できないことがスタッキング解析により判明した。これら10個のSMGs一つ一つが~500 太陽質量/年という膨大な爆発的星形成を行い宇宙再電離期の最も大きい銀河種族の形成現場であるにも関わらず、過去のすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡では見つけることができなかった銀河たちである。加えて幸運にも予定よりも高空間分解能なアルマ望遠鏡の画像データを得ることができ、これら赤方偏移~6 SMGs候補(少なくとも赤方偏移>4)の爆発的星形成領域のサイズについて調べることができた。結果典型的な大きさが半径0.7キロパーセク程度であることがわかった。従来SMGsはこの2~3倍の大きさと考えられていたのでその定説を覆す結果をアルマ望遠鏡の良質なデータで明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Astronomical Society of the Pacific Conference Series
巻: 476 ページ: 265-268