研究課題/領域番号 |
13J10464
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
林 昌宏 神戸大学, 大学院法学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
2013年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 地方分権 / 中央―地方政府間関係 / 港湾整備事業 / 港湾管理権 |
研究概要 |
平成25年度は、当初計画で提示した研究課題のうち(1)地方政府の権限拡大をめぐる・アクターの行動の分析に関する作業を中心に進めた。これは、地方政府が、どのような政治的・社会経済的背景のもとで権限を拡大し、それをいかなる意図をもって活用していくことになるのか。また、その際には、権限を喪失する中央政府が、どのような行動を取ろうとするのか。これらを、主に日本における港湾管理権の移譲を事例に明らかにする試みである。 具体的には、東京の国立国会図書館東京本館などで、1950年の港湾法制定ならびに港湾管理権の地方政府への移譲に関する文献・論文・資料を調査・収集した。そして、地方政府が権限を拡大していくにあたり、関係するアクターがどのように行動しているのかという観点のもとに、収集したそれらの分析を進めていった。こうした作業で得られた知見については、2013年6月に福島市(コラッセふくしま)で開催きれた日本公共政策学会2013年度研究大会などで発表した。 (1)の研究課題に関する作業に目途が立ったこともあり、2013年の冬から(2)地方分権の進展が政府間関係・政策帰結に及ぼす影響の分析に関する資料の調査・取集を開始した。(2)の研究課題は、(1)の分析を踏まえて、地方分権の進展によって権限を拡大した地方政府が、他のそれらや中央政府、超国家組織との商に、どのような関係を築くのか。そして、それが政策帰結に、いかなる影響を及ぼすことになるのかについて明らかにしようとするものである。 (2)の主な作業は、先進諸国の地方自治制度(大都市制度を含む)、欧米、特に米国、オランダ、ドイツの港湾の整備・管理に関する文献・論文の収集になる。こちらについても平成25年度は東京の国立国会図書館東京本館を中心に、それらの調査・収集を進めた。また、来年度に調査を予定しているオランダの地方自治システム、港湾の管理・整備システムの分析を並行して進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、地方分権が進展することによって、政府間関係や政策帰結はどのような影響を受けるのかという点を、地方政府と中央政府のパフォーマンスの変化に着目しながら明らかにすること、そのために本研究では、地方政府が実施主体となっており、地方分権的な事業と位置づけられる港湾整備事業を分析対象とすることにしている。研究課題(1)については、調査によって得られた知見を学会や研究会などで報告し、所期の目的を概ね達成したと考えている。今後は、これらを論文などにまとめ発表する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題(2)に関する資料を収集し、それらの分析を行う。これを進めるにあたっては、海外(オランダ)での調査が必要不可欠となってくる。そのために筆者は、オランダのアムステルダムとロツテルダムを訪れ、オランダの地方自治制度ロッテルダム港をはじめとする欧州の港湾の整備・管理に関する資料を集めるほか、関係者へのインタビュー調査を行ないたいと考えている。インタビュー先は、ロッテルダム港湾公社やロッテルダム市役所、オランダ政府(インフラストラクチャー・環境省・経済・農業・イノベーション省)になる。また、資料の収集は、ロッテルダム市立図書館や、アムステルダム中央図書館、オランダ王立図書館で実施することを予定している。帰国後は、まず日本とオランダの港湾整備事業を比較し、地方分権をめぐって両国の間にどのような制度的な差異やアクターの選好の違いが存在するのか、その背景に存在する要因は何なのかをまとめることにしたい。
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