研究課題
特別研究員奨励費
今年度の研究では、持久性運動の強度の違いがレジスタンス運動後の筋肥大に関連する細胞内シグナル伝達経路の活性化に与える影響について検討した。健康な若年男性6名はまず、本実験の2週間以上前に、LT・OBLA及び最大酸素摂取量の決定のために、エルゴメータを用いて漸増負荷テストを実施した。本実験当日はまず、約30分間の仰臥位安静の後、左脚の大腿四頭筋外側部から安静時の筋を摘出した。筋摘出60分後に、LTもしくはOBLA強度でのサイクリング運動を20分間実施した。各条件での運動は約1ヶ月の期間を空けて各々実施した。サイクリング運動終了90分後にBIODEX system 3を用いて右脚でレジスタンス運動を実施した(30度/秒で6レップ×4セット、セット間休息120秒)。運動終了後は、再度仰臥位にて安静を保ち、レジスタンス運動終了60分後に、右脚から2回目の筋サンプルを摘出した。筋肥大に関連する細胞内シグナル伝達経路の活性化はウエスタンブロッティング法を用いて分析した。まずmTOR系に関して、mTORのリン酸化は運動前に比べて運動後で増加傾向(p=0.135)を示したが、交互作用は認められず、両条件間に有意な差は認められなかった。またS6K1のリン酸化には時間の効果が認められ、運動後に有意に(p<0.05)増加したが、交互作用は認められず、条件間で違いは観察されなかった。一方でMAPK系に関して、ERKのリン酸化も運動前と比較して運動後で増加傾向(p=0.163)が認められたが、交互作用は認められず、条件間で差はみられなかった。従って、本研究の結果から、サイクリング運動であればレジスタンス運動と組み合わせた場合でも、その運動強度にかかわらず、レジスタンス運動によって引き起こされる筋肥大に関連したシグナル伝達経路の活性化に大きく影響することはないことが示唆された。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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