研究課題
特別研究員奨励費
私は採用以前の研究において、ストレス応答性シグナル伝達経路の1つであるMitogen-activated protein kinase (MAPK)経路の上流に位置するMAPKKKの1つで、当研究室で同定されたApoptosis-Signal-regulating Kinase 1 (ASK1)の欠損が癌転移を低下させること、及び ASK1は癌細胞が血管内から血管外遊出して増殖するまでの、癌転移の段階の中でも比較的早いSeeding過程に関与することを明らかにしていた。採用第1年度目では、貴会採用時に提出した研究計画に則り、(a) 骨髄由来の細胞種におけるASK1が癌転移に関与すること、また(b) 単球、マクロファージ及び顆粒球におけるASK1が癌転移に与える影響は小さいこと、及び(c) ASK1が転移巣形成 (癌細胞の増殖過程)に与える影響は小さいことを明らかにした。採用第2年度目では、ASK1を欠損した血小板が機能低下していることを明らかにし、血小板特異的なASK1欠損マウスの作製に取り組んだ。採用第3年度目の今年度はこれまでの研究成果を踏まえ、主に細胞種特異的なASK1欠損マウスの解析を通して、血小板でのASK1欠損が一部の癌細胞の肺転移を減弱させること、及び血小板の特定のシグナル制御を担うことを明らかにした。さらに血管内皮細胞でのASK1欠損も癌転移を低下させることを明らかにした。今年度中の学会誌への研究発表はなかったものの、現時点で論文投稿に向けて準備している。また多角的な視点からの評価や指摘を得るため、海外学会を含めて積極的に学会へ参加して発表している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 2件)
Cancer Sci.
巻: 106 号: 7 ページ: 785-796
10.1111/cas.12676