研究課題/領域番号 |
13J11140
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
金子 健太 東京理科大学, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2014年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | X線偏光観測 / 光電子追跡型X線偏光計 / ガス電子増幅フォイル / コンプトン型偏光計 / X線偏光度測定 / マグネター / 多波長観測 / 可視・赤外線観測 |
研究概要 |
今年度は、日本国内でのX線偏光計の製作、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)の放射光施設におけるX線偏光計の校正試験、「すばる」望遠鏡によるマグネターの赤外線観測を行った。 米国宇宙航空基地局ゴダード宇宙航空センター(NASA/GSFC)で開発が進んでいる光電子追跡型X線偏光計(以下、X線偏光計)は、衛星プロジェクトに向けた性能評価を優先して行うため、X線偏光計としての基本的な性能評価を行う上でスケジュール上の制約を受ける。私が所属する理化学研究所でX線偏光計を製作し、NASAでは手の届きにくいX線偏光計の基本的な性能評価を日本で行えるようにする。本年度は設計と製作、動作確認試験を行った。 また、NASAと共同開発を行っているX線偏光計の較正試験において、BNLの放射光施設で利用したビームラインX-19Aが照射するX線の真の偏光度が不明という問題点があった。真の偏光度を高精度で測定するためには、偏光に対する感度を表す変調因子が高い別の偏光計が必要となる。そこで、コンプトン散乱およびトムソン・レイリー散乱を利用した偏光計(コンプトン型偏光計)を製作し、ビームラインX-19AのX線偏光度の測定を行った。測定を行った5.9keV、7.0keV、10.0keVの3つのエネルギーで90%以上の偏光度を持つことがわかり、X線偏光計の校正試験の結果にフィードバックし、X線偏光計の正しいレスポンスを得ることができた。 10^<14>-10^<15>Gaussという超強磁場をエネルギー源としてX線を放射すると考えられているマグネターの一部は、赤外線・可視光の波長域でも対応天体を持ち、多波長での観測研究が盛んに行なわれている。未だに決定的な説のないマグネターからの赤外線・可視光放射メカニズムを解明するため、「すばる」望遠鏡の近赤外線分光撮像装置(IRCS)と188素子波面補償光学装置(AO-188)を用いて、赤外線・可視光に対応天体を持つマグネターSGR1806-20およびSGR0501+4516の測光観測を行なった。現在、本データの解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日木国内でのX線偏光計の製作を今年度中に行い、来年度から性能評価試験を遂行する環境を整えることができた。また、X線偏光観測プロジェクトで開発を進めているX線偏光計の較正試験において、米国での実験をリードする役割となり、3つのエネルギーで偏光度を測ることでX線偏光計を正しく較正することができた。「すばる」望遠鏡によるマグネターの観測結果については、今年度に引き続き観測データの解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
日本国内で製作したX線偏光計の動作試験・性能評価試験を行う。性能評価試験は、高輝度光科学研究センター(JASRI)の放射光施設(SPring-8)での実施を予定している。また、修士時代に行ったマグネター4U0142+61の赤外線波長域の観測データの解析結果の論文執筆、「すばる」望遠鏡によるSGR1806-20、SGR0501+4516の観測データの解析を引き続き行う。
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