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東・東南アジアの陸水生態系における生物多様性の解明と保全シナリオの作成

研究課題

研究課題/領域番号 13J57072
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 環境影響評価・環境政策
研究機関九州大学

研究代表者

田中 亘  九州大学, 工学府・都市環境システム工学, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード種の空間分布モデル / Maxent / ピートスワンプ / プランテーション
研究概要

〈大スケールでの保全シナリオの作成〉東・東南アジアの淡水魚データベースであるFMSA (Fishes of Mainland Southeast Asia)の魚類分布データより26科59属94種の分布データを約13000カ所で抽出し(2004年~2013年)、統計ソフトMaxEntを用いて種の空間分布モデルを作成した. モデルでは, 種の分布を説明する変数として, 標高, 勾配, 海からの距離, 周囲の人口密度, 平均気温, 流域面積を用いた. 結果, 各種の潜在的な空間分布マップが作成された. 本成果に, 都市化やプランプランテーションの開発状況を加味することで, 現在の東南アジアにおける淡水魚類の「ホットスポット(生物多様性が高いが人為的な破壊の危機に瀕している地域)」を詳細スケールで抽出することが可能となった.
〈詳細スケールでの種と環境要因の関係の解明〉東南アジアでは, ピートスワンプなどのランドスケープと生物多様性の関係についての知見は少なく, 現地の陸水生物にとってピートスワンプフォレストと水田の景観的役割の違いや, ピートスワンプや水田からプランテーションへの土地転換が生物多様性に与えるインパクトなどは明らかではない. これらを明らかにするため, 東南アジアの代表的な湿地景観である, ピートスワンプ, 水田, プランテーション水路において, 生物の定量的評価と物理環境の計測を行った. 結果, 魚類及び水生昆虫の種数・多様性指数がいずれも, ピートスワンプ・水田で相対的に豊富であり, プランテーション水路で著しく損なわれていることが明らかとなった. また, 止水的な環境であることは共通していても, ピートスワンプと水田は異なる生物相を有していた. プランテーション水路については, 潜在的にはピートスワンプに近い物理環境であると考えられたが, 水の電気伝導度が他の環境より大幅に高く, 農薬や施肥の影響が疑われた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的「東・東南アジアの水田・河川の生物調査・生物多様性の把握」については, マレーシアでの現地調査に赴き, 生物調査を行うことで, 水田・ピートスワンプ・プランテーションの生物多様性に関する貴重な成果を得た. また, 研究目的「種の選好環境モデルの構築」については, 既往の研究から蓄積された生物地理データより, MaxEntモデルを用いて, 東南アジアの淡水魚類とマクロな物理環境要因との関係を明らかにすることができた.

今後の研究の推進方策

今年度の研究で作成した種の空間分布モデルに, 都市化やプランプランテーションの開発状況を加味することで, 現在の東南アジアにおける淡水魚類の「ホットスポット(生物多様性が高いが人為的な破壊の危機に瀕している地域)」を詳細スケールで抽出する. マレーシアの水田・ピートスワンプ・プランテーションでの生物調査については, さらに測定項目を追加して周密に調査を行い, ピートスワンプと水田の生物相を特徴づけている要因の解明, プランテーションの生物多様性を低下させる要因の解明とその緩和・改善策の提案を行う.

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 東チャオシー川における河川環境と淡水魚類の保全方策2014

    • 著者名/発表者名
      田中 亘
    • 学会等名
      第61回日本生態学会大会(広島)
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2014-03-14
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] Comparison of freshwater biodiversity among peat swamp, rice field and plantation in Peninsular Malaysia2014

    • 著者名/発表者名
      田中 亘
    • 学会等名
      Asian Fish Biodiversity Conference 2014
    • 発表場所
      Penang, Mlaysia
    • 年月日
      2014-02-12
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

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公開日: 2014-01-29   更新日: 2024-03-26  

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