研究課題/領域番号 |
14011261
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鳥越 秀峰 東京理科大学, 理学部・第一部, 講師 (80227678)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2002年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 人工転写因子 / 遺伝子機能解析 / 三重鎖核酸 / 転写活性化・抑制ドメイン / RNA結合蛋白質 |
研究概要 |
現在、様々な生物のゲノム計画により、様々な生物の染色体の全塩基配列が明らかにされ、得られた塩基配列より遺伝子領域が同定されている。機能既知の遺伝子配列との相同性を基に、同定された遺伝子の機能を推測する場合が多いが、必ずしも該当する機能既知の相同遺伝子配列がなく、機能が未知のままの遺伝子は少なくない。この場合に、機能未知の遺伝子の発現を人工的に活性化・抑制し、その時の表現型を検討することにより、機能未知の遺伝子の機能を推測することが一つの有力な手段となる。しかし、天然に存在する転写因子はある特定の遺伝子上流配列のみを認識し、下流の遺伝子の発現を制御するため、任意の遺伝子上流配列を認識し、下流の任意の遺伝子の発現を活性化・抑制することは従来できなかった。本研究課題では、この点に鑑み、任意の遺伝子上流配列を認識し、下流の任意の遺伝子の発現を制御する人工転写因子を創製し、機能未知の任意の遺伝子の機能解析に利用できる系を構築することを目的として研究を行った。 具体的には、機能未知遺伝子の上流配列と三重鎖核酸を形成しうる単鎖RNAに転写活性化or抑制ドメインをつなげ、この複合体を機能未知遺伝子の上流配列に結合させ、機能未知遺伝子の発現を制御することとした。しかし、単鎖RNAと蛋白質である転写活性化or抑制ドメインとをつなぐことは容易でないため、リンカーとしてRNA結合蛋白質とこの標的RNA配列との複合体を用いることとした。つまり、標的の遺伝子上流配列に結合する三重鎖核酸形成用の単鎖RNA(TFO)とRNA結合蛋白質の標的RNA配列(RS)との融合RNAと、RNA結合蛋白質(RBP)と転写因子の転写活性化or抑制ドメイン(ED)との融合蛋白質とが、RBP-RS相互作用を介して結合することにより、TFOとEDが一体化した新規の人工転写因子が構築される。この融合RNAおよび融合蛋白質発現用の各々のプラスミドを構築し、出芽酵母に導入した。出芽酵母アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター配列の下流にlac Z遺伝子を挿入したものをレポーター遺伝子として用い、構築した人工転写因子システムを評価した。
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