研究課題/領域番号 |
14014206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀之内 末治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80143410)
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研究分担者 |
大西 康夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90292789)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 放線菌 / ストレプトミセス・グリスウス / A-ファクター / 形態分化 / 二次代謝 |
研究概要 |
放線菌Streptomyces griseusの抗生物質生産と形態分化は、自身の生産する化学調節物質A-ファクターによりスイッチ・オンされる。本研究は、A-ファクター制御カスケード内の遺伝子を網羅的に解明することであり、本年度の成果は以下のようにまとめられる。 (1)A-ファクターレセプター(ArpA)は、同時に転写調節因子として機能する。ArpAのホモログであるCprBの結晶化、3次元構造を解明した。CprBはダイマー構造をとり、N末側のヘリック-ターン-ヘリックスのDNA結合ドメイン、C末側のA-ファクター結合ドメインと考えられる疎水性ポケットを含む調節ドメインから成っていた。この構造決定により、我々がこれまでに提唱してきたArpAによる転写制御モデルの正しさが裏付けられた。 (2)ArpAは下流の転写因子AdpAを誘導させる。AdpAの標的遺伝子として亜鉛結合型金属プロテアーゼ(SgmA)および気中菌糸内の隔壁形成に必須な15kDaのタンパク質(AsgA)を単離、同定し、これらの転写制御様式を解明するとともに、遺伝子破壊によりその遺伝子機能を決定した。 (3)A-ファクターによってその生合成が調節される黄色色素の構造を決定したところ、フェノキサジノン骨格を有する新規化合物であり、フェノキサジノンと名付けた。本色素の生合成遺伝子のほぼ全体をクローニングし、予備的な転写解析を行ったところ、生合成遺伝子と考えられるこれらすべての遺伝子はA-ファクターおよびAdpAに依存的に転写された。系全体の調節遺伝子と考えられるgrxRを同定しており、現在、AdpAによる直接制御か否かを検討中である。さらに、これらの生合成遺伝子はリン酸濃度の低い条件でのみ転写されるため、抗生物質生合成とリン酸との関連を解明するための格好の材料として期待される。
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