研究課題/領域番号 |
14014224
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原島 俊 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116086)
|
研究分担者 |
金子 嘉信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90161182)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 酵母 / ゲノム / プロテインホスファターゼ / 遺伝子破壊 / 機能重複 / トランスクリプトーム / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
PPase二重破壊株の網羅的な表現型解析の成果をトランスクリプトームやプロテオームの変化と結び付け、PPaseによる分子レベルにおける細胞機能制御の全体像を明らかにするため、本年度は、まず、PPase遺伝子単独破壊株32株について、野生型株とDNAマイクロアレーによる発現プロファイルの比較解析を行った。その結果、多くのPPase破壊株において、今までに見い出されていなかった多様な遺伝子に変化が見られることがわかった。また、PPH21、PPH22のように、二重破壊株でのみ表現型が現れるPPaseの単独破壊株が、異なる発現プロファイルを示すことがわかった。この結果は、これらのPPaseが、今まで考えられていたように完全に類似の機能を持っているわけではなく、野生型株では異なる働きをしている可能性を示唆している。こうしたPPase機能の全体像の解明を目指した研究と平行して、個別の研究も進めた。yvh1破壊株は、低温での増殖遅延という興味深い表現型を示す。以前にyvh1破壊株より、増殖遅延を抑圧する優性の抑圧変異株SVH1を分離していたが、このSVH1抑圧変異株より調製した染色体DNAで構築した遺伝子ライブラリーを用いて、SVH1遺伝子をクローン化した。その結果、mRNAの安定性に関与するMRT4遺伝子であることがわかった。MRT4遺伝子は236個のアミノ酸から成るが、変異点を決定したところ、68番目のアミノ酸であるグリシンがアスパラギン酸に変化した置換変異であることがわかった。また、野生型MRT4遺伝子はyvh1破壊株の増殖遅延表現型を抑圧しないので、増殖遅延を抑圧するためには、SVH1変異が必要であることがわかった。以前に、ツーハイブリッドスクリーニングによって、yvh1と相互作用するタンパクとしてYph1を見い出していたが、Yph1は、リボソームの合成に必要なNop7と同じタンパクであることが明らかにされた。Mrt4はNop7タンパクと相互作用していることが明らかにされているので、これらの結果は、PPase Yvh1が、Mrt4と直接あるいは間接的に相互作用することを示唆している。
|