研究課題/領域番号 |
14014226
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
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研究分担者 |
奥崎 大介 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00346131)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 分裂酵母 / 減数分裂 / アールエノーム / cDNAライブラリー / サブトラクション / non-coding RNA / ノーザン解析 / antisense RNA |
研究概要 |
我々は分裂酵母において減数分裂特異的に転写誘導される遺伝子群(meu遺伝子群と命名)の網羅的単離を行い、それらの機能を解析してきた。その過程でポリAテールを持っていながら蛋白質をコードしない新しいタイプのmRNA(non-coding RNA)や100種類近くのアンチセンスRNA群、および単一のゲノム領域から複数の転写産物が発現されているという珍しい多重転写領域を見つけた。他方、我々は、減数分裂相同組み換え率が低下する分裂酵母のmeu13変異株を用いて、以下の結果を明らかにした。(1)meu13変異株は減数第一分裂への進行が遅延した。(2)meu13変異株の減数第一分裂の遅延は、組換えの開始とcheckpoint rad^+遺伝子、cds1^+,減数分裂特異的なcds1^+ホモログのmek1^+に依存していた。(3)PFGEによる減数分裂特異的なDSBを検出したところ、meu13変異株ではDSBの修復が遅れていた。(4)checkpoint radとmeu13の二重変異株の胞子の生存率と組み換え率はさらに低下した。(5)相同組換え期の細胞にガンマ線照射を行い、多量にDSBを導入したところ、rad17^+に依存して減数第一分裂の開始が遅延した。(6)meu13変異株では減数第一分裂への進行が遅延するのと一致して、Cdc2Tyr15の脱リン酸化も遅延していた。以上のことから、分裂酵母では減数分裂組換え過程で生じるDSBの修復が遅れたときに、減数第一分裂の開始が遅延する制御機構が存在することが分かった。このDSBの修復の遅延は、checkpoint rad^+により感知され、cds1^+, mek1^+にシグナルが伝わり、Cdc2Tyr15の脱リン酸化を維持することで減数第一分裂の開始が遅延すると示唆される。またこの制御機構は、胞子の生存率と組み換え率を高く維持するという生物学的な意義を持つと考えちれる。
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