研究課題/領域番号 |
14014233
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小布施 力史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00273855)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2002年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | クロマチン / プロテオーム / プロテオミクス / 質量分析 / 染色体 / ゲノム / 複合体 / RNAi |
研究概要 |
本年度は以下のとおり、細胞内機能ネットワーク解明のための技術的な検証を、プロテオミクスおよびsiRNAを用いた細胞内機能阻害について行った。また、この過程で、ORCの複製開始制御に関する新たな知見とPCNAの新たな機能への関与を示唆する成果を得た。 a.PCNAと類似構造をもつ修復複合体(rad9-1-1)をリガンドにしたカラムを用いて相互作用する因子群の精製に成功した。また、タグ-ORC1発現細胞を樹立し免疫沈降により、高度にORC複合体を精製することに成功した。 b.LC/MS/MSにより、rad9-1-1-相互作用因子の候補を同定し、全く新しいチェックポイントネットワークの存在を示唆する結果を得た。また、ヒトORCと相互作用する新たな因子の同定に成功し、細胞周期、染色体構造、核構造との連携を示唆した。 c.ORC1の量、複合体形成、核内局在が細胞周期で制御されていることを定量的、視覚的に明らかにした。 d.ORC1特異的なsiRNAを細胞に導入することにより、プロテオミクスを用いた解析では明らかにできなかった他の複製因子(CDC6,MCM)との機能的な連携を明らかにした。 e.生化学的な再構成実験により、PCNAの染色体合着への関与を示唆する結果を得た。 本年度の助成により、これまでのPCNA、ORCに加えてrad9-1-1複合体の相互作用因子の同定にも成功し、本研究課題で確立したプロテオミクス解析の汎用性を示すことができた。さらに、プロテオミクス解析で得られた情報に基づいて生化学的、細胞生物学的な解析によりさらに機能ネットワークの裏付け、肉付けを行うことができた。また、プロテオミクス解析と併用してsiRNAを用いた細胞内機能阻害解析を用いることは、染色体因子の機能ネットワークの解明に有用であることが検証できた。
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