研究課題/領域番号 |
14015203
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
清水 俊夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (00110750)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 膜貫通タンパク質 / 膜貫通トポロジー / 膜貫通トポロジー予測法 / 予測性能評価 / シグナル配列 / ゲノムスケール解析 / 網羅的機能予測 / 膜貫通トポロジーの進化 |
研究概要 |
論文から収集した、実験によって決定された膜貫通トポロジーのデータベースを構築し、インターネット上に公開した(TMPDB)。このデータセットを用いて既存の10種類のトポロジー予測法の性能評価を行った結果、予測精度は最良のもので65%程度であった。これらの予測法の組み合わせによって予測精度を75%強まで向上させることに成功した(コンセンサス予測法、ConPred_all)。さらに、シグナル配列予測法(DetecSig、予測精度95%)を独自に開発し、トポロジー予測の精度を損なうことのないシグナル配列処理の手順を確立した。また、新しい考え方のコンセンサス予測法(ConPred_elite)の開発も行った。この方法は、トポロジー予測ができる配列の数を犠牲にする(膜貫通タンパク質全体の20-30%のみ予測可能)代わりに、その予測精度を大幅に高くする(90%以上)という戦略に基づくものである。 以上のような予測法と手順を適用して、原核ゲノム50種から予測された膜貫通タンパク質(約2万5千配列)について、これまで報告されているもの比べてより信頼性の高い網羅的トポロジー解析を行った。プロテオーム中に占める膜貫通タンパク質の割合は、平均で22%であった。シグナル配列を持つタンパク質配列の割合は、膜タンパク質で約18%、水溶性タンパク質では10%程度であった。また、シグナル配列を持つ膜貫通タンパク質(タイプ1)のN端ループの長さは、他のタイプに比べて長いもの割合がきわめて高く、シグナル配列の存在と機能との間に密接な関係があることを明らかにした。 さらに、50原核ゲノムから予測された膜貫通タンパク質配列全てを対象として、配列内の類似性比較を網羅的に行うことによって、遺伝子内重複によるトポロジー進化の可能性についても詳しく検討し、2倍体型の遺伝子内重複によって形成されたと考えられる膜貫通タンパク質の事例を数多く見つけだすことに成功した。
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