研究課題/領域番号 |
14015205
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中尾 光之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20172265)
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研究分担者 |
片山 統裕 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20282030)
山本 光璋 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40004618)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 視交差上核 / 日周リズム / 転写フィードバックモデル / 振動子フィードバックモデル / 引き込み / 分岐特性 / クラスター計算機 / 適応的フィードバック |
研究概要 |
脳の視交叉上核(SCN)のニューロンにおいて一群の遺伝子(時計遺伝子)が約24時間周期で発現の増減を繰り返していることが明らかになってきた。一方で、時計遺伝子は脳内の他の組織や体内の多くの組織にも発現している。SCNに存在するニューロン群は日周振動子の生理学的実体と考えられる。SCNの腹外側と背内側では、含有されるペプタイド、光感受性、入出力関係などが異なっていることから、少なくとも二つの異なる振動体が存在していると考えられる。SCN外や末梢に存在する振動機構はSCNとは独立した振動子を構成するものと考えられる。今年度は(1)時計遺伝子を含む振動機構をモデル化する基礎として、代表的なモデル化の枠組み、非線形転写制御フィードバックモデル(以下、Goodwin型モデルと呼ぶ)と振動子フィードバック型モデル、についてその外部入力に対する分岐特性を調べた。これより、Goodwin型モデルは1:1の引き込み領域が狭く、外力の強度が増した場合には他の周期比の引き込みに移行するか、引き込まれなくなった。振動子フィードバックモデルは広い1:1の引き込み領域を持ち、振動子自身の固有周期と外力の周波数がかけ離れていても外力が強ければ1:1で引き込んだ。このようなモデルの力学的な構造に依存した本質的な分岐構造の違いは、前提されることが多いが依然として仮説でしかない非線形転写フィードバックが日周リズムを作り出しているとする考えの妥当性を実験的に検証する手がかりを与えている。(2)SCNの大規模シミュレーションに向けて16ノードからなるクラスター計算機を構成した。現在数百程度のHodgkin-Huxley方程式を基幹としたネットワークをシミュレーションした結果、大規模シミュレーションに堪え得るものであることが示された。(3)行動レベルから振動子への適応的なフィードバックを有する位相振動子モデルを構成し、その妥当性をシミュレーションによって示した。フィードバックの必然性が示されたことで、生体リズムでは行動パターンが階層を越えて時計遺伝子を含む分子レベルの時計機構やその集合体における協同性に影響を与えていることが示唆された。これは階層的集合振動体として生体リズム機構を考えていく上での指針を与える。
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