研究概要 |
我々は,本研究室(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 形質発現)にておいて開発された遺伝子発現シミュレーター『BIOBJE』の基本アルゴリズムを応用し,線虫の行動パターン解析用の理論モデルを作成した.実際の線虫の移動パターンに関しては、統計処理された実験データを論文等より収集し,このモデルに、入力することによって,線虫の行動パターンを再現することに成功している.インターフェース面では、UNIX上でのglibを利用したC++での開発からJAVA言語を利用した開発に切り替え,行動パターンの実験データを収集するソフトとの連携を考慮して開発を進め,現在はWindows上で利用出来るインターフェイスを開発済みである.モデリング手法の開発、応用については,遺伝子発現シミュレーターにてモデル構築理論に,統計的,数学的なアルゴリズムを追加し,より詳細な条件下(たんぱく質、mRNAの拡散,移動パター,局在を扱うことが出来る)でのシミュレーションが可能となった.我々は,この新たなモデリング手法を組み込んだBIOBJEを用いて,ショウジョウバエにみられるサーカディアンリズム系の遺伝子発現ネットワークについて,詳細な解析を行った。そして,この新しい手法でその遺伝子制御パターンを再現出来たことを国際会議(GIW2002)にて発表した.今後は、実験的手法を用いた線虫の行動パターンの解析と,その理論的解析が必要となるが,その部分の解析は線虫を用いた線虫の行動パターンの概日リズムの解析で実績のある北里大学・医療系研究科・長谷川健治助教授との共同研究を平成15年4月より行うことが決まっている。
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