1.環状ゲノム比較法の確立-既に開発済みであった環状ゲノム配置比較法について、類似度の統計的評価に関して改良を行った。その結果、極値分布に基づく類似性確率の推定が可能となった。 2.遺伝子配置情報の整備-各種データベースより、46の細菌ゲノムのorthologous遺伝子及び13の細菌ゲノムと酵母ゲノムのparalogous遺伝子に関して、既存のデータベースから遺伝子位置情報を収集し、解析プログラムに取り込めるフォーマットに整備した。 3.ゲノム比較の実行-細菌ゲノム及び酵母ゲノムの配置情報データそれぞれについて、解析プログラムを実行った。細菌ゲノムについては、遺伝子機能の観点から既に提唱済みの相対的位置1が保存される遺伝子群について分類を行い、遺伝子群を特徴付けることができた。酵母ゲノムについては、ゲノム重複の可能性を示す結果が得られ、さらに祖先型クロモゾームのモデルを得た。 4.遺伝子発現データ解析法の開発-遺伝子位置と遺伝子発現を網羅的に解析するための準備として、ゲノムレベルで遺伝子発現を解析する方法を開発した。 5.線形クロモゾーム比較法の開発-異なる生物種間の複数線形クロモゾームの遺伝子配置比較法開発の予備的な調査として、既存の統計ソフトウェアパッケイジによって、様々な既存の統計解析法を適用した。 6.解析ソフトウェアの公開-解析ソフトウェアを利用できるホームページの作成を行い、仮設のサーバ上で公開した(http://wwwmse.kagu.sut.ac.jp)。現在ホームページの本格的な専用サーバへの移行を行っている。
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