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脳の発達におけるグルタミン酸トランスポーターの役割

研究課題

研究課題/領域番号 14017026
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

田中 光一  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80171750)

研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
キーワード神経科学 / 脳神経 / 発生・分化 / グルタミン酸 / 欠損マウス
研究概要

グルタミン酸は、ほ乳類の中枢神経系において興奮性神経伝達物質として重要なだけでなく、神経系の発生・分化にも関与するシグナル分子としての作用を持つと考えられている。また、神経系は他の臓器に比べエネルギー要求性が高く、神経回路網が正常に形成し作動するためには、神経活動の亢進した脳部位に選択的に代謝エネルギーを補充する必要がある。しかし、その分子メカニズムは不明な点が多かった。本年度は、脳が正常に形成され作動するために不可欠な、神経細胞へのエネルギー補給におけるグルタミン酸トランスポーターの役割を解析した。野生型で見られたひげ刺激による脳体性感覚野のグルコース取り込み増加が、GLAST欠損マウスで著しく低下していた。また、野生型由来培養アストロサイトで観察されるグルタミン刺激(神経活動の亢進に相当する)による、細胞内Naイオンの増加(グルタミン酸の取り込みによる)、glucoseの取り込み促進(血管からのエネルギー源であるグルコースの取り込みに相当)、lactateの放出促進(神経細胞のエネルギー基質であるlactateの補給に相当)が、GLAST欠損マウス由来のアストロサイトでは観察されなかった。神経活動の亢進→シナプス間隙のグルタミン酸濃度上昇→グリア型グルタミン酸トランスポーターによるグルタミン酸の再吸収の活性化(同時にNa+がグリア内へ流入)→グリアのNa-K ATPaseの活性化(グリア内でのエネルギー消費増大)→グリアによる毛細血管からのブドウ糖の取り込み増加→グリアの解糖系によるブドウ糖からlactateの生成(グリア内の消費したエネルギーの補充)→生成したlactateを神経細胞が取り込みエネルギーを補充、という経路が重要であることを、in vivo, in vitroで証明することに成功した。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Okada T.: "Long-term potentiation in the hippocampal CA1 area and dentategyrus plays different roles in spatial learning"European Journal of Neuroscience. 17. 341-349 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Voutsinos-Porche B.: "Glial glutamate transporters mediate a functional metabolic crosstalk between neurons and astrocytes in the mouse developing cortex"Neuron. 37. 275-286 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Harada T.: "Microglia-Muller glia interactions control neurotrophic factor productions during ligjt-induced retinal degeneration"Journal of Neuroscience. 22. 9228-9236 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Nishizaki T.: "A new neuromodulator pathway with a glial contribution mediated via A_<2a> adrenergic receptors"Glia. 39. 133-147 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Mitamura Y.: "NF-kB in epiretinal membranes after human diabetic retinopathy"Diabetologia. (印刷中). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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