研究課題/領域番号 |
14017027
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岡部 繁男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60204012)
|
研究分担者 |
井上 明宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80322080)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
|
キーワード | シナプス / 海馬 / 蛍光顕微鏡法 / 樹状突起 / 神経培養 |
研究概要 |
培養海馬神経細胞では、培養後10日から20日の間に興奮性シナプスの局在が樹状突起のshaftからspineへと変化する。この時期には活発な樹状突起上のspine(棘突起)でのシナプス形成が起こると考えられ、シナプス構造の形成過程を解析する良いモデルシステムになると考えられる。シナプス後部分子の動態を長期間観察する為に、シナプス後部分子であるPSD-95およびPSD-Zip45分子とオランクラゲ由来の蛍光蛋白質であるGFPの融合分子を安定に発現するトランスジェニックマウス系統を作成した。トランスジェニックマウス由来の海馬神経細胞を培養する事により1週間以上に亘るPSD-95分子およびPSD-Zip45分子の樹状突起上における分布変化を記録し、シナプス形成とspine形成の間の関係を解析した。同一の樹状突起において、培養後10日目ではshaft上に形成されていたシナプス後部構造が、その後一週間の間にspine上に次第に移行してゆく過程をタイムラプス観察する事に成功した。これまで異なった発生時期の別々の標本を観察することにより、このようなシナプス部位の動的な変化が起こるという仮説が立てられていたが、本研究により実際に樹状突起上でのシナプス部位の変化が起こる事が初めて確認された。また、一旦shaft上に形成されたシナプス後部構造も安定ではなく、時間経過と共に消失していく一過性の構造である事も明らかになった。以上の結果は海馬の興奮性シナプスの形成過程が単純に新規のシナプスが付け加わる事によって起きるのではなく、シナプスの付加と除去両者のバランスによって制御されている事を示している。
|