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確率的推論過程の脳内神経回路モデルとサル前頭葉の神経活動計測

研究課題

研究課題/領域番号 14017034
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東京工業大学

研究代表者

中村 清彦  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10172397)

研究分担者 伊藤 秀昭  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20345375)
研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
キーワード確率過程 / 情報理論 / 情報エントロピー / 神経回路 / サル / サッカード / 予測 / 反応時間
研究概要

人間は不確実に変化する環境の中であっても情報を有効に利用し適切に行動することができる.不確実に変化する環境での思考を定式化したものにShannonの情報理論がある.この理論は,環境の変化が確率過程として記述できるときに人間が情報と考えるものを定式化したものである.本研究は情報理論によって記述された人間の情報概念が脳内でどのような神経機構によって計算されているのかを明らかにすることを目的とする.
14年度は確率的に変化する視覚刺激を提示し予測による反応時間の変化について調べた.サッカード眼球運動課題の実験装置の調整を完了し,予備実験としてこの課題をサルに訓練して,確率的推論行動について以下のような基礎データを得た.すなわち,注視点の左右どちらかに提示される目標点へのサッカード眼球運動は提示確率の高い側への反応時間が短いという予測効果を示した.また,この実験データを線形神経回路モデルを用いて解析し,次の3つの事項を調べた.第1に,この予測効果が2つの平行する神経路,すなわち予測準備経路と運動起動経路とから成ること,第2に,これらの経路はそれぞれ眼球から前頭連合野を経て上丘に到る経路と眼球から直接上丘に到る経路であること,第3に,予測準備経路の前頭連合野までのどこかに神経活動の上昇速度が目標の提示確率に比例する細胞の存在が予測されることである.
今後は,まず予測準備経路の前頭連合野までで神経活動の上昇速度が目標の提示確率に比例する細胞のある領野を神経活動計測によって同定する.さらに,上記のサッカード眼球運動課題を拡張して目標点の位置が情報エントロピーを用いて推定できる確率的推論課題をサルに訓練する.この課題での情報エントロピーを用いた予測が前頭前野外側部-頭頂野-前頭眼窩野で行われているとする仮説を検証するため,これらの領野から神経活動を計測する.

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yoshiaki Tsunoda, Kiyohiko Nakamura: "Change of reaction time according to the presentation of the cue about the direction of the saccade in a delayed saccade task"Systems and Computers in Japan. (to appear).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 角田吉昭, 中村清彦: "遅延サッカード課題における確率的目標位置手がかり提示による反応時間の変化"電子情報通信学会論文誌. J85-D-II(12). 1864-1869 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Yoshiaki Tsunoda, Kiyohiko Nakamura: "Change in saccadic reaction time due to the presentation of the cue of target information"Proceedings of International Conference on Neural Information Processing. vol.3. 1564-1568 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] M.S.Kim, K.Nakamura: "Neural mechanism of the cerebellum for synchronizing sensorimotor signals in finger tapping"Experimental Neurobiology. 11,(2)Suppl.. 128 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 毬山利貞, 日原さやか, 石橋英俊, 入来篤史, 中村清彦: "サルの道具使用行動獲得の強化学習モデル"電子情報通信学会技術研究報告. NC2001-101(737). 167-174 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 金 敏ソク, 中村清彦: "音刺激とFinger tappingの同期化機構の小脳モデル"電子情報通信学会技術研究報告. NC2001-101(737). 175-182 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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