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サル上側頭溝前部における「顔」,「視線」および「声」のニューロン表現

研究課題

研究課題/領域番号 14017037
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

永福 智志  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (70262508)

研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
キーワードサル / ニューロン活動 / 上側頭溝 / 顔ニューロン / 顔認知 / 視線認知 / 声認知 / 非言語的コミュニケーション
研究概要

サルにおける神経生理学的研究から,上側頭溝前部領域には「顔」に選択的に反応を示す「顔」ニューロンが存在し,これら「顔」ニューロンは顔や視線の方向に選択性があり,一部は「声」などの聴覚刺激にも反応性があることが報告されている.しかし,「顔」や「声」に基づいたアイデンティティの認知(その「顔」や「声」の主が誰なのかの認知)における同領域の機能的役割に関する研究はほとんどない.われわれは,アィデンティティ認知における同領域の機能的役割をニューロンレベルで解明するため,「顔」に基づくアイデンティティ認知を要求する遅延見本会わせ課題(I-DMS課題)を用い,課題遂行中のサルの行動と同領域(および下側頭回前部領域)ニューロンの反応を記録・解析した.また,同領域における「顔」ニューロンの分布を組織標本および核磁気共鳴(MR)画像に基づき検索し,同領域内での「顔」ニューロンの反応性の相違を検討した.その結果,上側頭溝前部領域吻側部と尾側部には機能的な差異があることが明確になった.すなわち,(1)顔の方向に対する反応選択性が同領域吻側部と尾側部で異なり,吻側部「顔」ニューロンは斜め向きの「顔」に選択性を有するものが多いが,尾側部「顔」ニューロンは横顔に選択性を有するものが多いこと,(2)吻側部「顔」ニューロンは顔の方向に対して一峰性のチューニングを有するものが多いが,尾側部「顔」ニューロンは左右方向の「顔」に対して鏡像関係のニューロン応答を示し,二峰性のチューニングを有するものが多いこと,(3)吻側部「顔」ニューロンは,尾側部「顔」ニューロンより「顔」のもつ視線の方向による反応の修飾を受けやすいこと,などが示された.したがって,同領域吻側部「顔」ニューロンにはアイデンティティの認知に有利な斜め向きの「顔」が主に表現されており,視線の方向など,「顔」のもつ生物学的意味による反応の修飾を受けやすいこと,一方,尾側部「顔」ニューロンには横顔を含めあらゆる方向の「顔」が表現される一方,単なる「顔」の方向だけでなく,「顔」のパーツの包含関係なども反応性に影響を与えることが示唆された.解剖学的には,同領域吻側部は視覚記憶と密接な関係のある下側頭皮質前部(とくに前腹側部)と強い相互神経結合がある一方,尾側部は下側頭皮質後部,視覚前野(とくにV4野),頭頂間溝および海馬傍回後部(TF/TH野)など,種々の視知覚関連領域から線維投射を受けるなど,入出力様式に違いがあることが知られている.われわれの結果はこのような解剖学的知見と一致するものであり,上側頭溝前部領域吻側部と尾側部における「顔」情報処理に機能的階層が存在する可能性を示唆している.

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] De Souza WC, Eifuku S, Tamura R, Nishijo H, Ono T: "Functional difference of face neurons within the anterior superior temporal sulcus of macaques"Society for Neuroscience Abstracts. 27. 160.11 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Shibata T, Nishijo H, Tamura R, Miyamoto K, Eifuku S, Endo S, Ono T: "Generators of visual evoked potentials for faces and eyes in the human brain as determined by dipole localization"Brain Topography. 15. 51-63 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Hori E, Tabuchi E, Matsumura N, Tamura R, Eifuku S, Endo S, Nishijo H, Ono T: "Representation of place by monkey hippocampal neurons in real and virtual translocation"Hippocampus. (in press). (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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