研究課題/領域番号 |
14017084
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲嶋 一範 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90280734)
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研究分担者 |
田畑 秀典 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80301761)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 神経細胞移動 / リーラーマウス / ヨタリマウス / リーリン / 大脳皮質形成 |
研究概要 |
リーリンシグナルは、細胞内のDab1を介して最終的に移動神経細胞の配置を制御する。昨年度までに、リーラー(リーリン欠損マウス)及びヨタリ(Dab1欠損マウス)においては、皮質内に、樹状突起の異常な集積構造であるinternal plexiform zone(IPZ)が形成され、その辺縁にそって神経細胞は移動を停止する傾向があることを見いだした。本年度は、さらに、生後において、これらの細胞は正常より遅れて樹状突起を分化・成熟しはじめることを見いだした。この過程で、IPZの上縁に沿って移動を停止した細胞の一部は、本来とは逆向きである脳室面に向かって樹状突起を発達させた。これらの結果から、リーラー、ヨタリにおける遅生まれの神経細胞の配置は、早生まれの細胞によって大きな影響を受けていること、また、リーリンは、移動細胞の(特に樹状突起の)皮質内における正常な分化に重要な機能を有する可能性が示唆された。 また、発生過程の大脳皮質において、神経細胞は、脳室帯で誕生し、次々に放射状に脳表面へと移動して、皮質板を形成していくことが知られている。神経細胞移動の様式については、locomotion(ロコモーション)とsomal translocation(細胞体トランスロケーション)という2つの異なる移動様式が昨年までに報告された。しかしながら、両者の関係については全く不明であり、二種類の細胞があるものと一般的には考えられている。我々は、本年度は、独自に発見・命名した多極性移動という第三の移動様式のcharacterizationをさらに進めた。多極性移動をする細胞は、細胞体周囲に多数の細い突起を有し、それらをさかんに伸縮させながら、細胞全体がゆっくりと脳表面へと移動していく。その様子は、locomotionともsomal translocationとも明らかに異なるものであるため、これら三者の関係を検討した。その結果、これらは相互に変わりうるものであることを見いだした。
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