研究課題/領域番号 |
14017088
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩之 京都産業大学, 工学部, 教授 (80201929)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | unitary event / 同期振動発火 / スパイク相関 / 外側膝状体 / 視覚情報処理 / ユニタリーイベント / テトロード / 相関発火 |
研究概要 |
麻酔下ネコの外側膝状体から2本のテトロード電極により同時記録された振動的発火を生じる複数のユニット活動データにUnitary Event (UE) Analysisを適用した。従来のスパイク相関解析法であるcross-correlogramでは試行時間中での時間平均により、スパイク相関の非定常ダイナミクスを視覚化することができなかった。以前行ったcross-correlogramの解析で有意に相関していると判定された64ケースに対してUE Analysisを適用したところ、24ケース(38%)のみが試行期間中に有意な(p<0.05)相関イベント(Unitary Event)を示した。これは、試行時間全体のスパイクを統計の対象とするcross-correlogramに対して、短い時間窓(100msec)内でのスパイクのみから相関イベントの有意性を判定するUE Analysisではより厳しい条件が課せられるためである。一方、UE Analysisの最大の利点である非定常性解析に関しては、有意なUEを示した24ケースのうち19ケース(80%)が発火率の変動とは異なる時間スケールのUEの頻度変化を示すことが判明した。これは、皮質下の外側膝状体においても、発火率とは異なる情報がスパイク相関のダイナミクスに含まれている可能性を示唆している。この相関のダイナミクスの生成原因および機能的意味が今後の研究対象となる。今回の解析は、刺激に含まれる時間特性と相関発火頻度の時間特性を分離するために、刺激自体に何ら時間構造のない定常スポット刺激下でのデータのみをもちいた。今後は、今回発見したUE頻度の非定常変動の機能的意味を検討するためにも、moving barなどの異なる刺激文脈下での活動データの解析に拡張していく計画である。
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