研究課題/領域番号 |
14017097
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
本田 学 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (40321608)
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研究分担者 |
岡田 知久 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (30321607)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 運動制御 / 思考制御 / 運動前野 / 小脳 / 大脳基底核 / 機能的磁気共鳴画像 / 経頭蓋的磁気刺激法 / 機能的有意性 |
研究概要 |
思考を含む人間の高次認知機能は感覚運動制御の連続的な発展により実現されているとの仮説のもとに、運動制御の影響を最小限にして認知機能のパフォーマンスを計測することが可能なメンタルシミュレーション課題をもちいて、運動関連脳領域が脳内シミュレーションの遂行に密接に関連すること、シンボル表象のシミュレーションには大脳基底核を含む皮質-基底核ループが重要な役割をはたすことを明らかにした。また同課題を応用して運動制御の要素を排して思考速度を評価する課題を開発し、パーキンソン病ではシンボル表象のシミュレーション速度が有意に低下すること、思考速度の低下が運動速度の低下と相関することを明らかにした。これらの一連の研究を通して、高次運動皮質である運動前野の機能が大脳半球外側面に存在する外側運動前野と、大脳半球間隙に存在する(前)補足運動野とで異なっており、内側運動前野は基本的に一次元情報を逐次的に直列処理するのに対して、外側運動前野は多次元情報を同時に並列処理をするとの仮説を持つに至った。この仮説を検証するために、言語、空間、数という異なる表象について、同一の聴覚刺激を用いて逐次的オペレーションを行ったときの活動を機能的磁気共鳴画像をもちいて検討した。その結果、逐次的な処理をおこなう三つの課題すべてにおいて、前補足運動野に強い活動を認めたのに対して、空間的な表象の操作を行うときにのみ、両側の外側運動前野が強く反応することを見いだした。この結果は、内側運動前野が逐次的連続的な操作に重要な役割を果たしているのに対して、外側運動前野の活動は、操作の内容よりもむしろ表象の種類に依存することを示唆している。
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