研究課題/領域番号 |
14017110
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
南部 篤 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (80180553)
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研究分担者 |
高田 昌彦 財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00236233)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2002年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 線条体 / 淡蒼球 / 視床下核 / 直接路 / 間接路 / 運動野 / 随意運動 |
研究概要 |
大脳基底核は大脳皮質、特に前頭葉との間でループ回路を形成し、運動の発現や制御に関与していると考えられているが、その詳細に関しては不明である。大脳基底核の入力部から出力部に到る経路には、線条体ニューロンが淡蒼球内節に単シナプス性に投射する経路(直接路)、線条体ニューロンが淡蒼球外節と視床下核を経由して多シナプス性に淡蒼球内節に至る経路(間接路)、大脳皮質から視床下核への直接投射を介する経路(ハイパー直接路)などが存在すると考えられる。これらの大脳基底核を巡る神経回路に関して以下のことを明らかにした。(1)大脳皮質から線条体への入力様式を生理学的に検討したところ、一次運動野と補足運動野からの入力情報の一部は、被殻において単一ニューロンレベルで収束していることがわかった。さらに線条体のなかで補足運動野から入力を受ける領域と、一次運動野から入力を受ける領域から、淡蒼球への投射様式について検討したところ、これらの領域からの投射は、淡蒼球では完全に分かれていた。すなわち、大脳皮質一次運動野と補足運動野からの入力情報の一部は、被殻において収束、統合されているが、被殻から淡蒼球への投射においては並列処理が行われていることになる。(2)大脳皮質を電気刺激し、淡蒼球でニューロン活動を記録すると、早い興奮、抑制、遅い興奮という反応パターンを示す。このうち、早い興奮はハイパー直接路を、抑制は直接路を、遅い興奮は間接路を経由するものであることが明らかになってきた。このうちハイパー直接路が、強くかつ早い興奮作用を淡蒼球にもたらすことから、大脳基底核の機能を考える上において重要であることが示唆された。更に、ハイパー直接路や間接路が実際、どのように働いているか明らかにするために、淡蒼球ニューロンの感覚刺激に対する応答を、視床下核ブロック前後で比較してみたところ、反応性が著しく変化することがわかった。このことは、視床下核を巡るこのような経路が、実際の生理的な条件下でも働いていることを示唆している。
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