研究概要 |
本年度の研究実績は以下の3点にまとめることができる. 1.移動オブジェクトの効率的支援のための時空間データベース技術の開発:携帯機器を有し移動するユーザや自動車などの移動オブジェクトに対して,位置・経路を考慮した情報提供を行うための空間問合せ技術を開発した.移動状況に応じて問合せに用いる距離関数を適応的に変化させて問合せ対象を選択する点が特徴となっている.また,移動オブジェクトの移動軌跡が多数蓄積された時空間データベースの中から,移動統計量を効率よく抽出するためのアルゴリズムの開発も行った.空間索引を有効利用することで,低コストでマルコフ遷移確率と呼ばれる移動統計量を計算可能である 2.XMLデータベースのための問合せ処理技術の開発:XMLはインターネット時代の情報交換のための標準として着目を浴びているが,大量のXMLデータを効率よく処理する技術に関してはいまだ開発の余地が多い.本研究では,とくにリレーショナルデータベース内に格納されたデータをXMLデータとして提供するXML出版に焦点を当て,与えられたXML問合せに対し求められたXMLデータをリレーショナルデータベース中のデータから効率よく導出する手法を示した.特にユーザ定義の関数が問合せに含まれる場合を検討の対象とした. 3.配信型情報源の統合技術に関する研究:インターネット上でサーバから動的に配信される,ニュース,メーリングリスト,株価情報などを配信型情報と呼び,そのような情報配信を提供する情報源を配信型情報源と呼ぶ.本研究ではこのような配信型情報源の統合のための要求記述とその処理方式について提案を行った.
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