研究課題/領域番号 |
14019020
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀬崎 薫 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授 (10216541)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2002年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
キーワード | 触覚 / 協調作業 / モダリティ / メディア同期 / 遅延 / ジッタ / マウス |
研究概要 |
人間の意思を他者に能動的に伝達することの可能な感覚として、力覚(触覚)が注目され既にいくつかの触覚デバイスが商用化されている。本研究は帯域の制限、無視し得ない遅延、パケットの欠落などのネットワーク上の擾乱(network impairment)が生じる実際のネットワーク環境で力覚メディアを円滑に伝達させる方策の中でメディア同期、即ち遅延補償の問題に重点をおいてその解決を図っており、既に、力覚メディア同志のメディア同期特性、及び視覚メディアとのメディア間メディア同期特性を主観評価実験を通して解明してきている.本年度は特に、遅延にゆらぎ(Jitter)を含む場合の適切なメディア同期手法について検討を行った。その結果、単一触覚ストリームの場合には遅延時間の絶対値の増加を犠牲にして遅延ゆらぎを完全に吸収してしまう方式、およびその逆にゆらぎの補償をおこなわずにそのまま出力してしまう方式は、両者共に適切ではなく、「ゆるやかな」メディア同期を行うことが主観的品質を最大化すること、またこのゆるやかさを規定するパラメータはネットワーク条件に依らずほぼ一定であり、ロバストなメディア同期系を設計出来る可能性があることを実証した。 またあわせて、マルチモーダルな環境でのメディア同期特性を解明するために、触覚デバイスを用いるユーザと触覚をもたないマウスを用いるユーザとの間で協調作業を行った場合のタスク達成時間や操作感などの品質との関係を調べた。遅延がない場合を前提とした場合には、触覚をもつデバイス同士での協調作業が最も品質が高くなり、触覚モダリティの追加が協調作業の効率向上に資することが解明された。引き続きこのような場合のメディア同期手法の設計について理論的検討と実験環境の構築を行っている。
|