研究概要 |
本年度では、(1)アンドロイドロボットの試作,(2)ロボットとの相互作用時における脳反応計測,(3)ロボットとの相互作用における幼児の反応の3つについて研究を行った. 本研究の目的は,人間型のロボットと関わる人間がロボットをどのように認識するかについて,客観的評価を得るために,光トポグラフィによって直接脳の反応を計測するというものである.この研究においては,ロボットの動作と見かけ(どれほど人間に似ているか)の双方からの影響を考慮しなければならない.この動作と見かけの問題を検証するために,人間と酷似したロボット,アンドロイドを制作した.実際の人間から型をとり,シリコンで皮膚を作成し,アクチュエータを埋め込んだ.本格的な評価実験は今後の課題である. 一方,前年度に引き続き,ロボットと相互作用する人間の運動野付近を光トポグラフィによって計測し,その解析を行った.統計的に明確な傾向をつかむには至らなかったが,光トポグラフィによる計測の可能性を示唆する幾つかのデータを得ることができた. 光トポグラフィを用いた実験における課題の一つは,被験者に与えるタスクである.このタスクについて考察を深めるため,幼児を用いた認識実験も同時に行った.幼児の視線の動きから幼児がロボットを対話の相手と見なすかどうかという実験であるが,幼児の認識はロボットの動きに深く関わることがわかった.今後,この結果を参考に,再度光トポグラフィの実験に取り組む予定である.
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