研究課題/領域番号 |
14021002
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
畠山 昌則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40189551)
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研究分担者 |
東 健 福井医科大学, 医学部, 助教授 (60221040)
東 秀明 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (20311227)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2002年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ菌 / 胃癌 / CagA / チロシンリン酸化 / Src / SHP-2 |
研究概要 |
cagA陽性ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)は高度の萎縮性胃炎を惹起し、胃癌との強い関連が示されている。CagA遺伝子産物であるCagAタンパク質はピロリ菌の保有する注射針様のIV型注入装置を介して菌体内から胃上皮細胞に直接注入され、さらに細胞内でSrcファミリーキナーゼによりチロシンリン酸化を受ける。ピロリ菌由来cagA遺伝子を胃上皮細胞内に導入・異所性発現させることにより、CagAがHGFなど増殖因子刺激時と同様の胃上皮細胞形態変化を引き起こすことを見い出した。一方、CagAのチロシンリン酸化部位となるEPIYAモチーフを構成するチロシン残基をアラニンに置換したリン酸化抵抗性CagAは全く増殖因子様活性を示さず、またこのCagA活性はSrcインヒビターであるPP2添加により著しく抑制された。すなわち、CagAはチロシンリン酸化により活性化されるものと結論ずけられた。次に、リン酸化CagAと特異的に相互作用する胃上皮細胞内分子を検索し、SH2ドメインを有するチロシンフォスファターゼSHP-2を同定した。リン酸化されたCagAはSHP-2のSH2ドメインにチロシンリン酸化部位特異的に結合し、その結果SHP-2のフォスファターゼ活性は著しく増強された。CagAとSHP-2の細胞内複合体形成は高度にstoichiometricであり、SHP-2が過剰な状態では細胞内に発現されたCagAの80%以上がSHP-2と結合した。胃上皮細胞に対するCagAの増殖因子様活性は、細胞内でのCagA-SHP-2相互作用を阻害することにより抑制された。一方、細胞膜直下でSHP-2を構成的に活性化させることにより、CagA発現と同様の細胞形態変化が誘導された。CagAによる細胞増殖シグナル伝達系ならびに細胞運動制御系の持続的脱制御は、cagA陽性ピロリ菌の慢性感染を基盤とする胃上皮細胞の多段階発癌プロセスに重要な役割を担うことが推察される。
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