研究課題/領域番号 |
14021020
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松島 綱治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50222427)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2002年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | ケモカイン / 樹状細胞 / リンパ球 / 炎症 / 肉芽 |
研究概要 |
P. acnes投与により肝内を遊走後肝リンパ節傍皮質部に移行したDCはT細胞とクラスターを形成するが、このクラスター内で徐々にTh1細胞が増加してくる事、その過程にDC由来のケモカインCXCL10/IP-10が関わることが明らかになった。さらに抗IP-10中和抗体の実験から、最終的な肉芽形成に関わるTh1細胞は、肝リンパ節で活性化されたメモリーT細胞が全身再循環により肉芽局所に選択的に遊走してきた細胞であり、しかもこれらのTh1細胞は肉芽内でさらなる増殖・IFN-γ産生能を示す事が判明した。1)所属リンパ節から輸出リンパ管へのメモリーTh1細胞の移行がIP-10により調節されていること(Th1 retentionという新しい概念の提案)、そして2)最終的にはメモリーTh1細胞の肝類洞へのホーミングにより肉芽部位のTh1細胞の増殖が起こり(局所における樹状細胞とのクラスター再形成によるTh1 polarizationの完了)肉芽が完成する、という慢性炎症のサルコイドーシスの原因とされるP. acnesによる肉芽形成メカニスムの全貌が、ケモカインと樹状細胞の視点からかなり観えてきたのではないかと思われる。これらの結果はまた、エフェクターTh1樹立の場はリンパ節のみならず炎症局所であり、しかもいずれもDC群と形成されるクラスター内でケモカインにより巧妙に調節されていることを示唆している。すなわち肉芽腫は必ずしも慢性炎症の終末像ではなく、免疫応答がダイナミックに展開されている像であると考えられた。
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