研究課題/領域番号 |
14021035
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
向田 直史 金沢大学, がん研究所, 教授 (30182067)
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研究分担者 |
中本 安成 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (40293352)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | B型肝炎 / トランスジェニックマウス / ディファレンシャルディスプレイ / DNAアレイ / diethylnitrosamine / pim-3 / RT-PCR法 / セリン・スレオニン・キナーゼ |
研究概要 |
HBs抗原で免疫した野生型のマウス骨髄細胞を、骨髄細胞を枯渇させたHBsトランスジェニックマウスに移植することによって、急性肝炎→慢性肝炎→前癌状態→肝癌と発症するモデルを用いて、前癌状態において選択的に発現が変化する遺伝子群を、蛍光ディファレンシャル・ディスプレイ(FDD)法にて包括的に検索し、同定した。その結果、(1)5種類の未知遺伝子ならびに、19種類の既知遺伝子の発現が増強していたのに対して、19種類の既知遺伝子の発現が低下していた。(2)5種類の未知遺伝子を定量的RT-PCR法にて検討したところ、このモデルのみならず、diethylnitrosamine投与による肝癌発症モデルでの前癌状態においても、これらの遺伝子発現が肝臓内で発現が増強していることを確認した。(3)このモデルの前癌状態で発現が増強していた既知遺伝子のうち、機能の詳細が不明であるセリン・スレオニン・キナーゼ、pim-3の発現様式について検討した結果、HBs-Tgマウスでの肝癌発症モデルとdiethylnitrosamine投与による肝癌発症モデルとの両者において、前癌状態においてpim-3の発現が増強していることを、半定量的RT-PCR法にて確認した。(4)ヒトpim-3の塩基配列の報告がなかったため、ヒトpim-3の完全長cDNAをクローニングして、その塩基配列を決定した。ヒトpim-3cDNAは全長約2.4kbで、981bp(326アミノ酸)からなるopen reading frameを保有していて、これまでに報告されているマウス・ラットpim-3とアミノ酸レベルで94%一致していることが明らかになった。さらに、ヒト肝癌細胞株でpim-3が恒常的に発現していることも確認した。
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