研究概要 |
本年度の研究成果に以下まとめた。 1.本研究におけるリード化合物として選定したnoraristeromycin(NAM)の化学修飾を検討し、塩基部2位へのフッ素原子を導入した誘導体を合成した。また、塩基部6位アミノ基を化学修飾した誘導体の合成も行った。 2.NAMの糖部化学修飾体として、3',4'-位にエポキシ基を有する誘導体の合成も行った。本化合物は、ヒト酵素^2およびマラリア原虫酵素に対して顕著な拮抗阻害活性を認めなかったが、ヒト酵素に対してアフイニティーラベル化能を示した。 3.塩基部2位にアミノ基を有するエポキシ誘導体も両酵素に対して顕著な拮抗阻害活性を示さなかったが、ヒト酵素およびマラリア原虫酵素に対してアフィニティーラペル化能を示.した。塩基部2位への極性置換基の導入は、酵素に対する選択性に変化をもたらし、選択的阻害活性を増強をもたらした。 4.多数のサンブルの酵素阻害活性を評価に供するため、精製操作が簡便であるHis-tag型マラリア原虫酵素(His-P.falciparum酵素)およびHis-tag型ヒト酵素(His-Human酵素)の発現系の構築および発現・精製を試み、それに成功した。 5.P.f.SAH hydrolaseに存在する特徴的な41アミノ酸挿入配列に注目し、この挿入配列の特性評価を試みた。その結果、キメラ型組換え酵素(His-HPH, His-PHP)の発現系を構築し、発現・精製に成功し、それらキメラ型酵素の性質を現在調べている。
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