研究課題/領域番号 |
14021041
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | マラリア / スポロゾイト / 肝臓感染機構 / 接着侵入分子 / ESTデータベース |
研究概要 |
マラリア原虫のスポロゾイトは蚊から人への感染に関わる重要なステージである。スポロゾイトの肝臓への感染機構は、医学的にも生物学的にも興味深い対象である。しかし、これまで材料としての扱いにくさのために十分には研究されて来なかった。この研究ではスポロゾイトの肝細胞特異的感染にかかわる分子を同定し機能を解析して、原虫の肝細胞感染の分子機構を解明することを目的とした。逆遺伝学的方法で、スポロゾイトcDNAの網羅的解析、ESTデータベース構築、遺伝子ノックアウトによる機能解析を進めてきた。 モデル実験動物としてネズミマラリア原虫P.bergheiとハマダラカAn.stephensiを用い、次の実験を行った。(1)ハマダラカ唾液腺スポロゾイトからcDNAライブラリーを作製し、cDNAの網羅的解析を行って、ESTデータベースを構築した。(2)細胞接着に関連する分子構造motifを持つ遺伝子をいくつか選定し、全塩基配列を解析した。(3)その中から更に数個の遺伝子を選定しノックアウトした原虫を作製し、機能解析を行って、スポロゾイトの肝細胞への接着感染を介在する鍵分子を同定した。(4)鍵分子の抗体を作製して、免疫電顕により細胞局在や原虫の接着侵入への関わり方を観察した。 特に今回、(5)既知の分子との相同性を持たないマラリア原虫特異的新規分子の機能を同定し、Torinuke'と命名した。この分子はスポロゾイトが、肝臓の類洞壁のクッパー細胞を通過するのに必要な分子であることを同定した。
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