研究課題
特定領域研究
HIV-1の経粘膜感染と粘膜免疫誘導機序とを明らかにする為に、SIVとSHIVの経粘膜感染サルモデル系を確立して、そのウイルス動態と感染防御に働く免疫応答を実験的に明らかにすることを目的とした。研究成果は以下の通りである。1.非病原性SHIVの経粘膜感染による免疫と防御効果(平成13年度)nef等欠損非病原性SHIVで免疫されたサルへの病原性SHIVの経直腸攻撃接種に対する防御には獲得免疫のみならずγδTやNK等の関与が示された。また、経鼻免疫により腸管でも抗体産生が増強された。2.SIVの経膣感染におけるウイルスポピュレーション(平成14年度)粘膜通過過程でウイルスポピュレーションが制限されるものの、ウイルスの細胞指向性との関連はなかった。3.急性病原性SHIVの経直腸感染初期のウイルス動態と免疫応答(平成15年度)経直腸感染後、局所で増殖せずに速やかに全身臓器に拡散した。特に胸腺におけるCD4細胞の減少が著しく、ex vivoで未成熟細胞から成熟T細胞への分化増殖障害がみられた。4.低病原性SHIVの経直腸感染初期のウイルス動態と免疫応答(平成16年度)局所で増殖し、CD4細胞を減少させ、段階的に全身に拡散するが、他臓器でのCD4細胞減少はみられるものの少なかった。5.非感染性粒子を産生するSHIV DNA免疫による経粘膜感染防御(平成17年度)パッケージング能を欠いたSHIV変異株による免疫で、急性病原性SHIVの経直腸攻撃に対する防御効果がみられた。HIV感染では初期のウイルス動態と免疫応答が予後に強く関与することが推測されているが、サルを用いることで、それが実証された。特に腸管の重要性が示された。これらの知見は、今後、有効なワクチン開発の上で重要と考えられる。
すべて 2006 2005 2004 2003 2002 2001 その他
すべて 雑誌論文 (24件) 文献書誌 (13件)
Vaccine 24,17
ページ: 3677-3685
Vaccine 24(17)
Microbe & Infect 8
ページ: 105-113
Vaccine 24;17
J.Med.Primat 34
ページ: 294-302
Virology 20;343(2)
ページ: 151-161
Microbiol.Immunol 49(7)
ページ: 667-679
10016567960
Archives of Virology 150
ページ: 1517-1528
Arch. Virol. 149
ページ: 943-955
J.Med.Virol 73
ページ: 368-377
Arch.Virol. 149
ページ: 743-757
ページ: 1705-1720
J.Mol Evol. 58
ページ: 333-340
Arch.Virol 149
Frontiers in Bioscience. 9
ページ: 513-520
ウイルス 54
ページ: 75-82
J. Gen. Virol. 84
ページ: 2237-2244
ページ: 1663-1669
Virology. 298
ページ: 306-316
Virology. 282
ページ: 6-13
Virology 282