研究課題/領域番号 |
14021047
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
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研究分担者 |
川嵜 伸子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70077676)
上村 和秀 京都大学, 薬学研究科, 助手 (20303844)
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 血清マンナン結合タンパク質(MBP) / 血液型糖鎖抗原 / ルイスa / 質量分析 / 小腸上皮細胞 |
研究概要 |
血清マンナン結合タンパク質(以下、MBPと略す、MBLと呼ばれることもある)はマンノ-ス、N-アセチルグルコサミンおよびフコースに特異的に結合する動物レクチンであり、重要な先天的生体防御因子あることが知られている。本研究において、筆者らはまず、MBPが、がん細胞を特異的に認識する機構の解明を目指し、ヒト結腸がん細胞SW1116より、MBPと特異的に結合する糖鎖を単離し、その化学的および免疫化学的性質を解析した。その結果、MBPリガンドMBPリガンドはポリラクトサミン構(Galb1-4GlcNAc)n造を有するtypeIIの高分子糖鎖を基本構造とするN-Asn型糖鎖であること。この糖鎖には、血液型関連抗原であるルイスX、ルイスa,シアリルルイスa,ルイスbなどのがん関連糖鎖エピトープが含まれるが、このうちMBPと結合するのはルイスa,ルイスb型糖鎖であることが明らかとなった。このMBPリガンド構造の詳細な解析を行うため、世界最高水準の質量分析技術をもつ、Dr.Khoo(台北)と共同研究を行い、良好な予備的知見を得た。また、従来、MBPは肝臓でのみ合成されると考えられてきたが、筆者らは定量的PCR(TaqManRT-PCR法)によりマウス組織におけるMBPmRNA発現量を測定し、本レクチンが肝臓以外のいくつかの臓器で合成されることを見出した。肝臓を100%とし、各臓器の相対的発現量を比較した結果、L-MBPmRNA小腸において、肝臓の約9%発現していることが明らかとなった。L-MBPmRNAはその他、腎臓、胸腺に、S-MBPは、腎臓、肺、精巣でシグナルが観察された。これらの組織での発現は1%以下であった。小腸での発現は空腸において顕著であり、特に絨毛先端部の上皮細胞に局在することが明らかとなった。腸管免疫におけるMBPの役割を示唆する新しい発見である。
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