配分額 *注記 |
68,000千円 (直接経費: 68,000千円)
2005年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2003年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
2002年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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研究概要 |
免疫系は、大きく自然免疫と獲得免疫に分けられる。近年、Toll-like receptor (TLR)の発見により、自然免疫系が特異的に病原体の侵入を感知するシステムをもっていること、さらに自然免疫系の活性化が、獲得免疫系の活性化誘導に必須であることが分かってきた。本研究では、リガンドの分かっていないTLRファミリー分子のノックアウトマウスを作製し、病原体認識における役割を調べた。またTLRのシグナル伝達経路に関わる分子を同定し、そのノックアウトマウスを作製することによって機能を解析した。それらの結果を通じて、TLR非依存的なウイルス認識機構の存在を見いだし、その経路に関わる分子を同定し、ノックアウトマウスを作製して機能を解析した。 1.TLRファミリー分子の新規リガンド(TLR1/TLR2:トリアシルリルポペプチド,TRL7:イミダゾキノリン誘導体とssRNA, TLR9:ヘモゾイン)を同定した。 2.TIRドメインを持つ新規TLRのアダプター分子TIRAP, TRIF, TRAMのノックアウトマウスを作製し機能を明らかにした。 3.転写因子IRF3を活性化するキナーゼであるTBK1,IKKiのノックアウトマウスを作製、機能を解析し、MyD88非依存的経路やウイルス感染時のI型IFN産生に必須の役割を果たすことを示した。 4.ウイルス感染時に形質細胞様樹状細胞は、TLR7,TLR9を介して大量のIFN-aを産生する。このシグナル伝達経路を明らかにした。 5.RNAウイルス感染時にはTLR非依存的にI型IFNを誘導する。ウイルスのdsRNAを認識するRNAヘリカーゼのRIG-Iのノックアウトマウスを作製し機能を解析した。さらに、RIG-Iや、同じくウイルス感染に関わるRNAヘリカーゼMda5を介するシグナル伝達経路における新規アダプター分子、IPS-1を同定した。さらに、トランスフェクションによりDNAを細胞質内に導入することでTLR非依存的にI型IFNを誘導することを明らかにした。
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