研究課題/領域番号 |
14021063
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡 清正 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70314474)
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研究分担者 |
三宅 眞実 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10251175)
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 百日咳 / 壊死毒 / 細胞内小胞輸送 |
研究概要 |
百日咳症実験モデル作製後の解析において組織および細胞での壊死毒の消長の検索を容易にするため、壊死毒分子の細胞への結合と細胞内移行に関わる機能ドメインを解析した。その結果、壊死毒のN末端側から54位Gluまでのペプチド断片(B断片)に細胞への結合ドメインが存在することがわかった。壊死毒はB断片中の44位アミノ酸残基のC末端側で動物細胞由来プロテアーゼのfurinによって切断された。細胞に対する壊死毒の作用はfurin処理により100倍程度強くなり、逆にfurin認識部位に点変異を導入したDNTは細胞に対する作用が完全に消失した。Furin処理後も壊死毒のN末端領域とC末端領域は非共有的に結合していた。Furin処理壊死毒は人工脂質膜と結合しなかったが、壊死毒の細胞への結合ドメインを除いたdelta Bは脂質膜と結合した。さらに、delta Bは本来壊死毒に感受性のない細胞にも作用した。細胞内小胞輸送の諸過程を阻害する試薬(バフィロマイシン、ブレフェルディン、など)の存在下でも、壊死毒の細胞に対する作用は影響を受けなかった。以上のことから、壊死毒は標的細胞上の受容体と結合した後、1)furinあるいはfurin様プロテアーゼによって切断を受け、2)受容体結合部位を除く断片(delta B)が自働的かつ非特異的に細胞膜と相互作用して活性断片を細胞質内に転位させると考えられた。delta B断片には、ヒト免疫不全ウイルスのTatタンパクに存在する細胞膜通過シグナルと相同性のある領域が存在する。しかし、この相同領域を欠失したDNTは細胞に対する毒素活性を消失しなかったので、DNTの細胞内移行にはこのTat相同配列は関与しないことがわかった。現在、Tat配列の上流に存在する膜貫通ドメインのDNTの細胞内侵入機構における役割を解析している。
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